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甘く、苦く

第53章 磁石【move on now】session 3

二宮side



「俺ね、全然余裕じゃない。」

「嘘だ。」


だって、 俺がどんなにちゅーしても
表情一つ変わらない。

なのに俺は、翔さんにちゅーされると
すぐに顔が熱くなる。


「…わっかりやすいなぁ。
かず、俺ね、早くかずを抱きたいの。
めっちゃ焦ってるの。

かずが早く欲しいから、
すっごい焦ってるんだよ?

ほんとなら、早く一つになりたい。
だけどね、それだとかずが痛いでしょ?

かずのことが誰よりも大切なの。
だから、壊したくないんだよ。
わかってくれた?俺の気持ち。」



初めて聞いた翔さんの本音。

俺のこと、大切だから
ゆっくりしてくれるんだ。


そう思ったら、嬉しくて。


「俺、なんかめっちゃ恥ずかしいこと
言ったじゃん。」

なんて、また笑いながら言う。


「…俺だって欲しい。」

「え?」

「翔さんが欲しい。」


そう言うと、翔さんは微笑んで
ローションを指に纏った。


「力抜いてね。」

「はい…」


シーツをぎゅっと握っていた
手を離して、

その代わり、翔さんに
抱きついた。


視線が重なると、
キスして。

俺がちょっとでも
苦しそうな声を出すと、
翔さんは指を抜いてくれる。


「はぁ、ぁ、や、」

「痛い?」

「だい、じょぶ…」



もうとろとろに解れて
三本でも自由に抜き挿しできる状態。


「かず、早く欲しいよね?」

「うん…」

「その前に、これ。」

「…うん」



翔さんからゴムを受け取り、
ピリッと袋を破く。

ゴムを膨らませて、
翔さん自身に被せる。

最初はうまくできなくて、
翔さんは仕方ないよって
凹む俺の頭を撫でてくれた。

でも今は、もう慣れたから
さっとつけられる。


「かず、上手。」

「あっ……っ」


翔さんの先が、
ちょんっと当たる。

ぎゅっと目を瞑ってたら、

「ちゅーしよ」

って。


目を開けたら、
翔さんが甘いキスをくれた。


と、同時に翔さんが入ってきた。

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