テキストサイズ

甘く、苦く

第54章 末ズ【ゲーム<?】






ソファーの上に座って、
どれくらい経っただろうか。

まーくんからの電話がきた。


『あ、ニノ?』

「俺にかけたんだから俺が出るでしょ。普通。」

『んふふ笑
そうだよねー。』

「用件ないなら切るけど?」

『まま、待って!
ニノさ、いつ空いてる!?』

「六月中?」

『うんっ』

「…んーと、明日と23日。
それしか空いてないかな。

あ、でも、明日は潤くんと過ごすから
絶体だめ。」

『わかってるよ。
じゃあ、23日ね。
迎えいくから、8時くらいに。』



俺の休日にしては朝が早いな、
とか愚痴溢してたら
まーくんの困った声。


『仕方ないじゃん?
ハンバーグ奢るから、我慢して。』

「…仕方ないなぁ。」



思わず、笑みが溢れる。



潤くん以外にも、
俺を大切にしてくれる人が
たくさんいるんだって、実感できる。

幸せ、かも。



潤くんがいれば、もっと。



「まだかなぁ…」


真っ暗な画面を見つめ、
溜め息ひとつ。



連絡くれたっていいのに。
遅れるなら遅れるって
言ってくれればいいのに。

事前に連絡してくれれば、
全然怒んないのに。



俺だって、感情がない訳じゃないから、
寂しいんだからな。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ