
甘く、苦く
第55章 にのあい【俺だけのDisco Star】
「遅れましたっ」
って、楽屋のドアを思いっきり開ければ。
「ニノ遅いよ~」
「なーにやってたんだ?」
って、メンバーが明るく話しかけてくれる。
「へへ、ちょっと、ね?」
「えー、なんだそれ!
気になるじゃんかぁ…」
教えろーって、翔さんが俺の肩を揺さぶる。
頭がぐわんぐわんしてきて、
酔いそうなくらい気持ち悪くなった。
「おぇっ…」
「あ、ごめんな?」
「だいじょぶ…だけど…」
雅紀の姿が楽屋にはなかった。
「雅紀、は?」
「え?一緒じゃなかったの?
逆にこっちが聞きてえんだけど。」
…え?
来てないってこと、だよね。
なんで…?
「ニノなら知ってるとおも…「遅れたぁっ!!」
聞き覚えのある声が後ろでして、
ちょっと安心した。
「相葉くん、遅いよ。
超ギリギリじゃん?
ほら、リーダー起こして。」
「えー?俺ぇ~!?」
「遅れたから。」
ぶーって唇を尖らせる。
…あぁ、もう。
そんな顔メンバーに見せんなよ。
俺だけの雅紀なのに。
嫉妬ばかりが募っていく。
