甘く、苦く
第55章 にのあい【俺だけのDisco Star】
どんな人よりも、
多分、ずっと。
こんなに愛しい人は、
いないからさ。
俺のことわかってくれて、
俺もわかってて。
なんか、いいじゃん。
そういうの。
気ぃ楽じゃん?
「まーさき。」
「なんだよう…」
「ごーめんね?」
「…ばあか。」
「んふ、かわい。」
むぎゅっと首に抱きつくと、
雅紀の香水の匂い。
そんなにキツくないから、
深呼吸しても全然平気。
あんまりさ、香水とか
好きじゃないのよ。
気持ち悪くなるじゃん。
なんつうの?あれ。
頭痛くなんじゃん。
あれ嫌いなのよ。
だけど、雅紀ならそんなに
キツくないから。
それよか、もっと嗅いでたい、
って思うし。
…あれ、俺、変態?
「…ニノ、苦しぃ…」
涙目で俺に訴える雅紀。
「あ、ごめっ…」
「許さないもーん。」
「ここ、楽屋だからね?」
嵐の母、再び参上。
「「ごめんなさぁい」」
甘ったるい声をあげる俺たちを
呆れた目でみる、嵐の母。