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甘く、苦く

第56章 翔潤【隣にいたい】






い、言っちゃった…。

目の前を見ると、
顔を真っ赤にして俯いている
翔くんの姿。


「ごっごめん!
嘘だから!今のは!!」

「…そう…



…嘘付き。」




って、翔くんが睨んできて
スタスタと歩いていってしまう。


あぁ!
違うんだ!


「しょ、しょーくんっ、
ごめんっ、嘘じゃない!」


翔くんはゆっくりと
こっちを振り返り、
綺麗に微笑む。


「知ってる。
試してたから。

はぐらかされたら
どうしよっかなーって
思ってたけど…

潤は素直だもん。」


って、俺の頭を優しく撫でる。

顔があっつくなって、
体温が急上昇する。



「…好き、です。」

「俺も。
潤、お願いね



……大好き。」


耳元で響く、
甘い声。

脳が溶かされそうなほど、
甘くて、熱い。


…ねぇ、翔くん。

今度は、期待してもいいんだよね…?


嘘、ついてないよね。
俺だけの翔くんだよね。



「夏祭り、一緒に行かね?」

「翔くんとだったら行くー」

「ふは、単純。」

「んふふ~」


こんなに幸せなことって
あったんだなぁってくらい
今はすげー幸せで。

…これから、
こうやって過ごすんだろうなって
未来のことを考えるのは
幸せなんだよ。


どんな困難が
待ち受けているかなんて
わかんないけど…。

翔くんとだったら、
何でも出来ちゃいそうだよ。

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