甘く、苦く
第58章 末ズ【one step】
松本side
パタン…とドアが閉まり、
静かになる家。
…あ、
やっちまったな。
って理解するには、
少し時間がかかった。
和がいなくなって、
まだ腹立ってた。
「……ったく、」
どうせすぐに帰ってくるだろう。
それか、連絡してくる。
意地張ってて、
俺からは謝りたくなかった。
…だけど。
実家についても
和の連絡がこなくて。
とうとう事の重大さを
やっと理解したんだ。
「…潤?」
「っあ、ごめん。
なに?」
「…今年は、和くんこないの?」
…あー。
そうだ。
「…うん。
仕事の予定、合わなかったから…」
「そう…大変なのね。
また寄ってって言ってちょうだい。」
「あぁ、…そのうちね。」
そのうち、そのうちな…
仲直り…すればいいから。
別に、大丈夫。
そんなの、簡単だ。
たった三文字だ。
「ごめん」
そんなの、もう、慣れっこだ。
…こんな俺の甘い考えが、
ますます和を怒らせることになるなんて。
この時の俺は思いもしなかった。
パタン…とドアが閉まり、
静かになる家。
…あ、
やっちまったな。
って理解するには、
少し時間がかかった。
和がいなくなって、
まだ腹立ってた。
「……ったく、」
どうせすぐに帰ってくるだろう。
それか、連絡してくる。
意地張ってて、
俺からは謝りたくなかった。
…だけど。
実家についても
和の連絡がこなくて。
とうとう事の重大さを
やっと理解したんだ。
「…潤?」
「っあ、ごめん。
なに?」
「…今年は、和くんこないの?」
…あー。
そうだ。
「…うん。
仕事の予定、合わなかったから…」
「そう…大変なのね。
また寄ってって言ってちょうだい。」
「あぁ、…そのうちね。」
そのうち、そのうちな…
仲直り…すればいいから。
別に、大丈夫。
そんなの、簡単だ。
たった三文字だ。
「ごめん」
そんなの、もう、慣れっこだ。
…こんな俺の甘い考えが、
ますます和を怒らせることになるなんて。
この時の俺は思いもしなかった。