甘く、苦く
第59章 大宮【Gimmick】
一度崩れた理性は
もう、もとに戻らなくて。
「はぁ、ぁ、」
ぎゅうっとシーツを
握り締めている手を
離して、自分の手と
絡ませる。
キスよりも、セックスよりも、
こっちの方が
繋がってる気がして。
「やっ、ふ、ん、」
やだ…っていうように、
俺を見る瞳。
…きっと和も、
怖いんだろうな…って
思ったら、最後までなんて
到底できなくて…
…というか、
その前にもう満足
してしまっていて…
「…和、一緒にイこ、」
「んっ。やぁあっ」
包み込むように
自身を持てば和の口から
甘い甘い、可愛らしい声が
漏れ始める。
くちゅくちゅと
卑猥な水音に、
気持ちが昂る。
ぎゅっと瞳を閉じれば
和の息遣いに、卑猥な水音、
それから二人の声、
ベッドの軋む音。
「ひゃ、ぁあっ」
「くっ…」
どろっと溢れ出した
二人の欲。
目を開ければ、
和がベッドに寝っ転がっていた。
…久しぶりに、
和のことを可愛いな、なんて
思ってしまった。