甘く、苦く
第61章 櫻葉【恋、始めてみました。】
相葉くんの肩を掴んで
ゆっくりと押し倒した。
唇は重ね合わせたまま。
「はぁ、んっ…」
色っぽい吐息が
聞こえる。
俺だけに見せる、
相葉くんの声や表情。
それだけでゾクゾクした。
…俺だけ。
「…んっ、ふ、」
長いキスを終えると、
二人ともぷっと吹き出した。
「翔ちゃんのキス、
長いよ~っ」
「ふはは、まぁじでぇ?」
「マジだよ~っ」
にこにこっと
俺の大好きな笑顔を
向けてくれる相葉くん。
…そういうところ、
全部好きなんだよ。
俺の持ち合わせた言葉じゃ
全部伝えきれない。
「ちょ、翔ちゃん。
なにやってんの。」
付き合ってから、
半年たったこの日。
俺と相葉くんは、
決めていた。
「え、だって前もって
準備したいじゃん?」
「卑猥なんだよっ
昼間っからそんなの
置いてあると!」
顔を赤くさせて
ばかっていう相葉くん。
全然変わらないところ
本当好きなんだよ