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甘く、苦く

第63章 磁石 【move on now】session 4

二宮side



「あぁ、それとも死にたいかな?
和くんが生き甲斐だったもんねぇ?」


そんな声が聞こえて、
体が凍りつく気がした。


…これ、まーくんの声…
なんだよね?

こんな恐ろしく低い声は
初めて聞いた。


待って…


翔さん、翔さん…っ



「まーくんっ…!」

「あ、和くん。
もうちょっとで終わるから、
待っててよ。」



…狂ってる。


翔さんの上に跨って、
気味の悪い笑みを浮かべるまーくん。


とにかく、

おかしいと感じた俺は
止めに入った。


「ダメ!
まーくんが人殺しに
なっちゃったら…俺…

また、一人ぼっちだよ……」


まーくんの方をしっかり見て、
訴えた。


「……大丈夫。
その時は和くんも一緒に──…」

「ダメ!
とにかく、やめて!!
翔さん、苦しそうだからっ…!」



まーくんを突き飛ばして、
翔さんを抱き起こした。

二ヶ月前よりも、
随分軽くなっていた。



…こんなんになるまで、
なにしてたんだよ…っ!!

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