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甘く、苦く

第64章 にのあい【sunshine】






「和、どうしたの?
やっぱり肩がまだ痛む?」

「あ、いや、」


大好きなハンバーグでさえも、
手につかない。


母さんがそんな俺を見て
心配してる。


「ううん。宿題でわかんないとこが
あったから考えてただけ。
肩は平気だよ。」

「そう?
じゃあ勉強頑張ってね」

「うん、ありがとう。」


…正直、肩もまだ痛むけど。

でも大丈夫。



俺は、かけがえのない存在を
手に入れたんだから。



今日も帰り遅いのかな。

日にち、跨ぐかな?


そんなこと考えて、
兄貴を待っていた。

もう一度ハッキリ
気持ちを伝えたくって。


「…はぁ、」



溜め息をついたそのとき。



「まだ起きてたのかよ…」


そう、ウザったそうな声が
頭の方で聞こえた。


「兄貴…」

「早く寝ろよ、」

「兄貴だって…」

「悪い子だから…
さっきのお返し、
してやるよ。」

「っ、」



顔が近付いてきて、
柔らかい唇があたる。

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