甘く、苦く
第64章 にのあい【sunshine】
兄貴を観察してたら、
なんか…なんか。
昨日の情緒が
蘇ってきちゃって。
ウズウズしながら
授業を受けてた。
…色っぽかった。
すごく…。
あんな表情初めて見たし、
あんなにエロいと思ってなかったから。
だから、
なんていうか。
もっと、もっと狂わせたいなって
思ってしまったんだ。
もっと違う顔が見たい。
誰も見たことがないような、
兄貴の顔を――…。
「なぁ、和、ここわかる?」
「これ?
あぁ、これなら
ぴったりの参考書があるから
貸してあげるよ。
今日俺ん家来てよ。」
「さんきゅ!
やっぱ持つべきものは友だな!」
眩しいほどの笑顔を向けられて
内心、ちょっと照れた。