甘く、苦く
第64章 にのあい【sunshine】
「ふぁっ、ぁ、」
「っ、はぁ、…っ」
また今日も、
こんなことしてる。
これはいつまで続くのだろうか?
そもそも終わりなんて
あるのだろうか?
「ぅあっ、ぁぁあっ、」
「ね、気持ちいい?
俺すげー気持ちいい…」
ただ自分が気持ちよくなりたいから、
無我夢中で腰を振った。
「な、兄貴、」
「んぁ、あっあ、」
「…きーてる?」
「かず、ぅあっ、」
聞いてないな
とか思いながら、
兄貴にただ欲をぶつけた。
「っ、───…っ、」
びくっと大きく体が
震えた。
「痛っ…あぅ、かずぅ、もっと、
やさしく、してぇ…っ」
気付けば、兄貴の瞳からは
ぽろぽろと綺麗な涙が
こぼれ始めていた。
「…っ、
ごめん、」
「あっ、んん、」
親に声を聞かれたくないんだろう。
こんな情けない声を。
兄貴のプライドが
許さないんだろう。
兄貴が俺の『異常さ』に
気付いてしまい、
離れていくのが怖い。
怖いから
だから
離れられないように
毒を注ごうじゃないか。
『愛』
という名の毒を。
「すきだよ…」