
甘く、苦く
第65章 お山【I LOVE YOU】
「ごめん、なんでもないよ。
ただ、寂しくって…」
「え、ごめん。
ほんとにごめんね」
「ううん。
翔くんは悪くないよ…」
あぁ、俺がさっさと寝てりゃ
こんなに気まずい雰囲気になんて
ならなかったのに。
本当に俺って、
メーワクなヤツ。
こんな俺のどこが気に入って
翔くんは俺の隣にいるんだろう?
「…ありがとう。」
「え?」
「智くん、なんにも言ってくれないから
どうしたらいいかわかんなくて…
でも、寂しいって言ってくれたから、
これからは…うん、頑張る。
教えてくれてありがとう」
───っ!もう!
なんなんだよ。
たまに見せるその笑顔。
やめてくれよ。
心臓に悪いから。
「…これからは、
頑張るから、ね?…んっ」
あぁ、もう…!
黙っててくれよ。
そういうところが
好きなんだよ。
だから、…だから。
俺けら離れていくんじゃないか、
って好きになる度思ってしまうんだ…
