Decalogue
第1章 好奇心から始まった
遮光カーテンで部屋を固く閉ざし、隙間から天体望遠鏡で向かいのマンションの彼女の部屋を覗く。
僕の毎日で全てだ。
背徳感に支配される事に快楽を覚える。
彼女は肌を露出した下着姿で部屋を歩き、椅子に座ると虚ろな目で窓から見える流れていく空をぼんやりと見上げている。
僕の視線には気づいていないようだった。
高層に住んでいるせいなのか、彼女の部屋の窓は遮蔽するものを何も掛けられていない。
まるで覗いてくれと言わんばかりに。
毎日のように彼女が男と交わす情事に嫉妬し、自慰行為に浸る。
ティッシュに欲求を吐き出しているとノック音に体が反応する。
「凌生(りょうき)、母さん仕事だから夕飯ここに置いておくわね。冷めない内に食べてね」
ドア越しに母親はそれだけ言って僕の返事を待たずに離れて行った。
母親とは何ヶ月も口を聞いていない。
この環境も僕にとっては好都合だ。
再びレンズを覗いた。
僕の毎日で全てだ。
背徳感に支配される事に快楽を覚える。
彼女は肌を露出した下着姿で部屋を歩き、椅子に座ると虚ろな目で窓から見える流れていく空をぼんやりと見上げている。
僕の視線には気づいていないようだった。
高層に住んでいるせいなのか、彼女の部屋の窓は遮蔽するものを何も掛けられていない。
まるで覗いてくれと言わんばかりに。
毎日のように彼女が男と交わす情事に嫉妬し、自慰行為に浸る。
ティッシュに欲求を吐き出しているとノック音に体が反応する。
「凌生(りょうき)、母さん仕事だから夕飯ここに置いておくわね。冷めない内に食べてね」
ドア越しに母親はそれだけ言って僕の返事を待たずに離れて行った。
母親とは何ヶ月も口を聞いていない。
この環境も僕にとっては好都合だ。
再びレンズを覗いた。