無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

寝室に唯一ある窓ガラスは夕暮れ色に染まり、次第に深い群青に変わっていく。
キッチンで赤いケトルが笛を鳴らしている。
男はリビングの大きな黒いソファーから降りてシンクに立ち、リビング奥の寝室にいる少女に見られないように慣れた手つきでミルクティーを煎れ、棚の瓶から白い錠剤を取り出すと、細かく砕いて甘いミルクティーに溶かした。
カップを手に寝室に入ると、猫脚の椅子に丸く座る少女に
「ミルクティーいれてやったぞ。飲むだろ？」
「…うん」
少女は迷いなくカップを受け取り、男の視線を浴びながらゆっくりとミルクティーを飲み干していく。