Decalogue
第5章 贖えない因果の連鎖
真聖は車を高層マンションの地下駐車場に停めた。
安堵したのも束の間、ドアを開けて優花を引っ張り出すと、また腕を掴んでエントランスまで強引に歩かせる。
「お兄ちゃん…待って。痛いよ…離して…お願い」
優花は小さな悲鳴をあげる。
「黙ってろ」
それだけ言うと逃げようとする優花を抱えてエレベーターに乗った。
部屋の前につくと乱暴に鍵を突っ込んでドアを開けた。
無理やり押し込まれ、靴を脱ぐ間もなく優花は部屋に転がされた。
その頃、自宅マンションに戻った凌生は部屋を荒らしながら必死で望遠鏡を見つけると床に据えて優花の姿を探している。
向かいのマンションでは、散らばるバッグの教科書に勉強道具。
優花は起き上がると荒い息で
「何で…こんな酷いこと…するの?お兄ちゃん…何とか言ってよ」
真聖のシャツの胸元を強く握った。
「優花が逃げたりするからだろ」
真聖の言葉に、優花の指先の力が緩んでいく。
「だって…そうするしか…なかったじゃない。わたし達…過ちを犯したんだよ。兄妹なのに…愛しあったら…だめ…なんだよ。わたし…どうしたらよかったの?」
悲痛な面持ちで今にも泣き崩れそうになるのを優花は耐えて、真聖の胸元を叩いた。
力なく叩く優花の腕を掴んで
「何もかも忘れろって言うのか?俺への気持ちも全部嘘だったのか?あんなに優花は俺を求めて愛し合っていたのに…俺は今でもこんなに優花を愛しているのに」
優花を床に強引に倒して押さえつけると、真聖が覆い被さった。
「答えてくれよ優花…」
真聖の涙が優花の頬を伝う。
「…お兄ちゃ…ん」
震える指先で真聖の頬に触れ、次々と零れてくる真聖の涙を拭う優花がいた。
安堵したのも束の間、ドアを開けて優花を引っ張り出すと、また腕を掴んでエントランスまで強引に歩かせる。
「お兄ちゃん…待って。痛いよ…離して…お願い」
優花は小さな悲鳴をあげる。
「黙ってろ」
それだけ言うと逃げようとする優花を抱えてエレベーターに乗った。
部屋の前につくと乱暴に鍵を突っ込んでドアを開けた。
無理やり押し込まれ、靴を脱ぐ間もなく優花は部屋に転がされた。
その頃、自宅マンションに戻った凌生は部屋を荒らしながら必死で望遠鏡を見つけると床に据えて優花の姿を探している。
向かいのマンションでは、散らばるバッグの教科書に勉強道具。
優花は起き上がると荒い息で
「何で…こんな酷いこと…するの?お兄ちゃん…何とか言ってよ」
真聖のシャツの胸元を強く握った。
「優花が逃げたりするからだろ」
真聖の言葉に、優花の指先の力が緩んでいく。
「だって…そうするしか…なかったじゃない。わたし達…過ちを犯したんだよ。兄妹なのに…愛しあったら…だめ…なんだよ。わたし…どうしたらよかったの?」
悲痛な面持ちで今にも泣き崩れそうになるのを優花は耐えて、真聖の胸元を叩いた。
力なく叩く優花の腕を掴んで
「何もかも忘れろって言うのか?俺への気持ちも全部嘘だったのか?あんなに優花は俺を求めて愛し合っていたのに…俺は今でもこんなに優花を愛しているのに」
優花を床に強引に倒して押さえつけると、真聖が覆い被さった。
「答えてくれよ優花…」
真聖の涙が優花の頬を伝う。
「…お兄ちゃ…ん」
震える指先で真聖の頬に触れ、次々と零れてくる真聖の涙を拭う優花がいた。