(仮)執事物語
第10章 VACANCE DE L'AMOUR〔葛城〕
「おや? 男達の視線を集めて興奮なさっているのですか? お身体が赤く染まっておられますよ?」
そう言うと葛城は、水の中で手を蠢かせ、葵の柔らかい尻を撫でる。
「違うわっ! そんなんじゃない。ただ、恥ずかしいだ……っ」
葵がそう言い終わる前に、彼女は身体をビクンと震わせた。葛城の手が際どいところを掠めたのだ。
「ちょっ!? 何を考えてるのよっ」
葵は声を潜めながら葛城に抗議の声を上げると、彼はクスクスと笑って彼女の腕を引き、歩き出した。
彼等の滞在するホテルのプールは島の中でも一番広く、いくつかのテーマで区切られている。島の自然をなるべく破壊しない為に、森林がそのまま残された区画もあった。
葛城は、男達の葵を舐め回すような視線から逃れ、樹木の生い茂る区画へと進んだ。更に彼は奥へと進み、木の陰になり人目に付かない場所まで葵を連れて行くと彼女を後ろから抱き締める。
そして「折角ですので、スリルを楽しみましょう」と囁くと、水の中で淫らに蠢めかせ葵の乳房や太腿を撫で擦り始めた。
「声を出してはいけませんよ? 誰が近くに居るのか分かりませんからね?」
そう言うと葛城は手を蠢かせ、水着の中へと忍ばせる。冷たい水の中で勃ち上がった胸の尖りを指先で摘まむと、擦り合せるように動かした。