(仮)執事物語
第10章 VACANCE DE L'AMOUR〔葛城〕
「……っ!!」
葵の身体が跳ね水面を揺らす。直ぐ近くでは、人々の燥ぐ声がすると言うのに何を考えているのかと、葛城の腕を掴んで葵は彼を睨んだ。その目尻には涙が溜まっている。
「そんな目で睨んでも、私を煽るだけですよ?」
そう言うと葛城は、両胸の尖りを指先で何度も弾いた。そこから生まれる、甘い刺激に葵の尖りがますます固くなる。
「ふふっ。こんなに尖らせて……。いやらしいですね? こんなに勃ち上がっていたら、水着の中では苦しいのではないですか?」
そう言うや否や葛城は、胸を覆っていた部分を引き摺り下ろした。葵乳房が飛沫を上げて弾ける様に零れ落ちる。
「こんなところを誰かに見られでもしたら大変ですね」と言いながらも、葛城は葵の胸の先端を弾く指を止めない。慣れ親しんだ葛城の指は、尖りを摘まみ上げたり引っ張ったりして、葵の官能を巧みに引き出していく。
誰かに見られてしまうかも知れないと言う不安と胸に与えられる快楽がせめぎ合い、彼女の思考はゆっくりと確実に溶かされる。
胸だけの刺激では物足りなさを感じる身体が、葵の腰を揺り動かす。すると、それに気付いた葛城は、彼女の耳元でクスクスと笑うと、「物足りないのですか」と尋ねた。