(仮)執事物語
第10章 VACANCE DE L'AMOUR〔葛城〕
「ふふふっ。どうやら彼等は行ってしまった様ですね?」
そう言うと葛城は、彼女の額に貼り付いた前髪を払いながら、柔らかな頬に口付ける。達したばかりで、まだ軽い放心状態の葵は、それを大人しく受け入れていた。
葛城は葵の耳元で、「お楽しみはこれからですよ」と囁き彼女を抱え上げると、プールの縁に座らせた。意識が覚醒してきた葵は、葛城は何をする気なのだと、座ったまま彼を見降ろす。
すると葛城は妖艶な笑みを浮かべ、葵の両脚の膝頭を撫でながら、それを左右に押し開いた。
「な……何をする気?」
「言ったでしょう? お楽しみはこれからだと」
葵の内腿に手を滑らせながら、葛城は彼女の脚の付根に顔を寄せる。葛城が吐き出す息が、葵の肌を擽ると、彼女は小さく身震いした。
葛城はそれに気付くと小さく笑い、葵を見上げ彼女を見つめる。そして彼は、葵を見つめたまま、縦に通った筋をゆっくりと指先でなぞり始めた。
「あんっ……!!」
またもや小さく身震いする葵。葛城は縦筋を何度も指先でなぞりながら、「声を出しては駄目でしょう?」と言って妖艶な笑みを見せる。その笑みに、葵の身体は再び熱を持ち始める。
葛城の指先が、葵の割れ目を覆う布地を避けると、彼女の綺麗に整えられた薄い恥毛と赤く熟れた芽が外気に触れた。「やっ! 駄目っ」と言って葵はその部分を掌で隠そうとするが、葛城の手がそれを遮る。