(仮)執事物語
第11章 この先もずっと…〔黒崎〕
「ふっ……うぅんっ……」
マコ兄の熱い舌が、私の口内を蹂躙する。「ファースト・キスは甘く」なんて考えていた私は、その激しさに驚き、目を見開く。首を振って逃れようとしても、マコ兄は放してくれない。
マコ兄の両手は服の下で蠢き、私の両胸の膨らみをやわやわと揉み上げる。そして、ブラジャーのカップの縁に指を掛け、それを下に引っ張ると服の下で私の胸の尖りを指先で捏ね回し始めるマコ兄。
(マコ兄! こんなの、やだよ……!!)
私は目に涙を溜めながら、唸り声を上げると、ふと身体が軽くなった。
「ゴメンな。怖かったか?」
そう言って、私の頭を撫で、ネクタイを緩めるマコ兄。そして、「これに凝りたら、夜中に勝手に入ってくるな」と言って背を向ける。酷いよ。冗談だったの!? 私はマコ兄の背中に縋りついて尋ねた。
「冗談なワケないだろ? ななを襲いそうになったのは、俺の本心だよ。だけど、好きだから大事にしたい。これでも、かなり我慢してるんだ。分かってくれよ……」
マコ兄の身体が震えているのは、我慢しているから? それなら我慢しないで欲しい。さっきは吃驚しただけだ。マコ兄が私を想ってくれているのなら。私はいつでも応える準備は出来ているもの。唯、気持ちが分からないのに、抱かれたくなかっただけ。