(仮)執事物語
第14章 【特別編】ココロとカラダ〔高月〕
シャワーを浴びて浴室から出ると、高月から「これをお穿き下さい」と下着を渡される。股間の部分が何だか膨らんでいる。僕が「これは?」と尋ねると、「夜ですし、少しくらいその部分が膨らんでいた方が男性らしく見えるでしょう?」と言ってニヤリと笑う高月。
「今宵は各方面の有力な方々のご令嬢もお見えになっております。いずれはお仕事で関わる事があるかも知れません。そう言ったお嬢様方へアプローチする為のアピールですよ」
「ふーん? そう言うものなのか?」
僕は渡された下着を穿きながら、高月に尋ねると高月は微笑みながら、頷く。
「ええ。それから……これは、昨日のお仕置きです」
そう言うと高月は、バストホルダーを着ける前の裸の胸に、小さい玩具を取り付け、ホルダーのファスナーを閉めた。
「ちょっ!? 何で今!?」
「今日は何もないと思って油断されておられましたでしょう?」
高月は僕にシャツを羽織らせながら、楽しそうにそう言う。確かに高月の言う様に油断はしていたけれども。「明日も休みなのだし、邸に帰ってから、たっぷり僕をいたぶればいいじゃないか」と僕が言うと、高月は口角を吊り上げ、「たっぷりいたぶって欲しいのですね? それでは、邸に戻りましたら朝まで可愛がって差し上げますよ」と耳元で囁き、耳朶をカリッと噛んだ。そして「しかし、それとこれとは別です」と僕の意見を一蹴した。
「さて、パーティが楽しみですね?」
そう言って高月は僕にスラックスを穿かせ、ウェストコートを羽織らせ次々と僕に着せていく。そして髪を後ろに撫でつけセットをし、ポケットチーフとネクタイを確認すると、「参りましょうか」と言って、部屋の扉を開けた。