(仮)執事物語
第14章 【特別編】ココロとカラダ〔高月〕
「はぁ……っ!!」
僕はそれに堪えられず、身を屈めて快楽をやり過ごそうとする。こんな時に。高月は何を考えているんだ!? そんなに僕を虐めたいのか!? 快楽と酒の酔いでクラクラする頭で、僕は高月の姿を探す。彼は相変わらず、窓辺に立ち、僕達の様子を悪魔の笑みを浮かべながら、見ていた。高月の考えている事が分からない。執事のクセに主人に不利益になる事をするなんて。
「斗夢……? どうした? 具合でも悪いのか!?」
突然、身を屈めた僕を心配して雨宮が僕の肩に触れる。それだけでも身体がビクンと震えてしまう。
「や……。触ら……ないで……」
僕はそう言うのが精一杯だった。脚の間で振動しながらうねる玩具が、その動きで僕の敏感な肉芽を左右に擦る。もう、立っていられない程の快楽に、僕は膝から崩れ落ちた。
「斗夢様!? 如何なされました!?」
そう言って駆けつけてくる高月。主を心配する執事の体は崩さず、僕の脇に肩を入れ、立ち上がらせる。
「雨宮様。申し訳ございません。斗夢様はご気分が悪い様ですので、これで失礼致します」
高月は、雨宮に頭を下げると、足早に僕を連れ去った。僕が連れて行かれたのは、僕に与えられていた控えの部屋で。高月は、僕をソファに座らせると、僕の服を脱がせて行った。
「全く……。貴女ときたら、隙が多過ぎです。私以外の男の口付を受けるなんて」
高月はそう言いながら、僕のフロックコートを脱がすと、トルソーにそれを掛ける。ウェストコートを脱がせ、タイを外し、スラックスを手際よく脱がせる。
「それは……高月が悪いんじゃない……。玩具なんて起動させるから……」
「それくらい、いつものポーカーフェイスで切り抜けられるでしょう? あんな……男を誘う様な顔をして……」
「そんなの……した覚え……ない……」