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(仮)執事物語

第4章 冬の蛍〔黒崎〕


黒崎さんは私の背中に手を回し、胸をガードしている下着のホックを外す。プチンと音を立ててそれが外れると、締め付けていた感覚から解放された。

「見ても……いい?」

そう言って上目遣いで私を見る黒崎さん。絶対にワザとそうしているに違いない。

「意地悪な事……訊かないで……」

恥ずかしくて小さくそう言うと、彼はふっと息を吐く様に笑い、私の蟀谷に口付けを落とす。

「恵里奈ちゃんが俺の困った顔を見るのが好きな様に、俺も恵里奈ちゃんが恥ずかしがる顔を見るのが好きみたいだ」

そう言いながら私の顔中に口付ける彼の唇はどこまでも優しい。こんなに優しい人に愛されて、私は何て幸せなのだろう。そう思うと、目尻から雫が零れ落ちた。

「恵里奈ちゃん?ご……ゴメンっ!意地悪し過ぎちゃったかな……」

今さっきまでの余裕の表情から打って変わって動揺する黒崎さんに、思わずクスッと笑ってしまう。

「さっきも言ったでしょう? これは"幸せの涙"だって!!」

そう言うと私は身を起こして彼の首に自分の腕を絡めて、彼に口付ける。彼は私を抱きとめ身体を支えると、口付けに応えて舌を絡めて来た。

彼の手が、胸に引っ掛かっていた、下着を取り去ると、外気に触れた私の胸を黒崎さんの手が優しく包む。

下から持ち上げる様にゆっくりと揉み上げる手の温もりを感じて、私の心は喜びに震えた。

胸の先端を彼の指が掠める度に、身体から得も言われぬ悦びが全身へと広がり、そこを固く隆起させて行く。

それに気付いた彼の指は、今度は意思を持って、その尖りを優しく捏ね回し始めた。

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