(仮)執事物語
第4章 冬の蛍〔黒崎〕
「あ……あんっ!」
先程よりも更に甘い痺れを伴った快感は、私の口から甘い声を上げさせる。
「可愛い声……もっと聞かせて……」
そう言いながら、黒崎さんの指先が私の固くなった尖端を弾く。私の身体はその動きに併せてビクビクと震え、抑えられない声が溢れた。
彼の唇が首筋から鎖骨へと下りて行き、そして胸の谷間に触れる。音を立てて吸い付く唇は、ピリッとした痛みと共に、そこに赤く小さな花を咲かせた。
「ははっ。沢山付けちゃった」
そう言って彼が嬉しそうに顔を上げて私を見る。そんな彼の印が嬉しいのに、私ときたら素直にそれを態度に示せないでいた。
「もう!安岡さんの前で、服が脱げないじゃない!」
私がそう言うと、黒崎さんは『それなら私が着替えのお手伝いをしますよ? お嬢様』と言って笑う。
何だか優位に立たれているようで、悔しい私は何とか反撃に出ようと試みる。
どうすればいいのかしら?
同じ様に彼の身体に痕を残そうか。
でも、きっと速水さんに突っ込まれても、嬉しそうに言うんだろうな。『恵里奈お嬢様につけて貰ったんだ』って。
そう言う素直なところが大好きなんだけれど。
そんな事を考えていると、『 他の事を考えるのは禁止だよ』と言って黒崎さんは、私の胸の尖りに吸い付き、舌でそれを転がし始めた。
「あっ!やぁん!」
そこから生まれる甘い悦楽に、否応なしに意識は持って行かれ、私は身体を跳ねさせる。
「ああ……。恵里奈ちゃんの肌……甘くて……美味しい……」
そう言って何度も吸い付ては舐る黒崎さん。私は彼の頭を掻き抱きながら、背を反らせて自分の身を彼に差し出した。