(仮)執事物語
第5章 Frost Flower〔葛城〕
私はギュッとお嬢様を抱き締め、最奥を衝き上げます。するとお嬢様のお身体は弓のようにしなり、ガクガクと震え花弁がキュウキュウと絞まりました。
「やぁっ!慎吾さんっ!!イクっ!!」
紫苑お嬢様がそう仰られると、更に花弁が戦慄き、私の滾りをギュッと絞めつけられたので、私も限界を迎えてしまいました。
「紫苑お嬢様っ!!」
お嬢様のお身体をきつく抱き締め、私はお嬢様の花弁の中に、自分の愛の雫を放ちました。
ビクンビクンと震えながら、お嬢様の中に放たれる私の熱を全て吸い取る様に、お嬢様の花弁は蠢いておられます。
その感覚が何とも言えず、私に幸福感を齎しました。
私達は息が乱れたまま、ベッドに倒れ込むと暫く動けませんでした。
いえ、動きたくなかったのです。お互いの熱を感じていたくて。
私達は息が整うまで、ずっとそうして抱き合っておりました。
愛しの紫苑お嬢様。
私は込み上げてくる想いを唇に託し、お嬢様の額に、蟀谷に、鼻先に、頬にそして唇に口付けを落としました。
やがて息が整うと、お嬢様は何かを思い出した様に、身を起こされました。
「フロスト・フラワーはっ!?」
そう仰りながら、私を見降ろす紫苑お嬢様。今頃、思い出したのですか?
「今日はもう無理です。きっと溶けてしまっているかと存じます」
私がそう告げると、お嬢様は『何で起こしてくれなかったの』と仰ってベッドの上で地団駄を踏み始められました。
「何度もお起こししたのですがねぇ。」
私がそうぼやくと、お嬢様は私を睨み付けられました。先程までの可愛らしいお嬢様はどこへ消えてしまったのでしょう?