(仮)執事物語
第6章 聖夜に誓いのくちづけを〔高月+葛城〕
「あっあんっ!!」
痛みを感じていた先端に、今度は甘い刺激が与えられ、ゆきは背を仰け反らせた。
「ああ……。本当に貴女の身体は厭らしい。こんなにコリコリさせて……。ほら、御覧なさい。私の舌で転がされる、厭らしいご自分の乳首を……」
そう言いながら高月がゆきを見上げると、彼女は頬を赤らめながらも、彼の舌の動きをうっとりと眺めている。
彼が軽く歯を立てて噛めば、ゆきの身体はビクビクと震えた。
「やぁんっ!!」
そう叫ぶと、快楽から逃れる様に身を捩るゆき。胸を庇う様に俯せになる。高月はそんなゆきの様子に、ふっと息を漏らし笑うと、彼女の耳にねっとりと舌を這わせた。
「厭らしくて敏感な身体には、刺激が強過ぎましたか?」
彼女の腰から背中を撫でながら、低い声で囁く。鼓膜を震わせるその声に、ゆきの身体も小さく震えた。
「はぁ……ん……。耳……弱いのに……」
「知っていますよ? だから虐めて差し上げているのではないですか」
そう言うと高月は、項に、肩にと唇を這わせ、音を立てて吸い付く。すると見慣れない痕を背中に見つけた。
これが葛城の付けた痕かと、指先でそれをなぞる。
「ゆきお嬢様? ここに……私が付けたものではない痕があるようですが……」
「え?」
「一体、誰なんでしょうねぇ? 私の大事な妻に痕を付けた間男は……。こんな痕は私が上書きしなければなりませんねっ!」
高月はそう言うと、葛城の残した痕を上から強く吸い上げた。ゆきの背中にピリッとした痛みが走る。