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あなたの色に染められて

第14章 臆病者


かぶった布団が上下に動きその弾みでベッドの下に徐々にずり落ちていく

やっと見えた 璃子の顔。髪の毛を指で少しかき分けると小さな口に目一杯含んで瞳を潤ませて

はじめてだから すげぇ下手なんだけど

『んんっ。……うっ』

『大丈夫か?』

一生懸命で。加減がわからないから奥まで呑み込みすぎて嘔吐いたりしちゃって

『もういいから。』

こんなことしなくたっていいのに…

まぁ 遊んだオンナにやらせたことはあったけど 璃子にはそんなこと望んでなくて

璃子の場合してもらうより俺がしてやりたくて

でも 俺の方をチラチラ見ながらほお張る姿を見てると 俺 こいつにスゲー愛されてるんだって 堪らなく愛しくて

『璃子?』

そっと手を伸ばして髪を撫でる。璃子は俺の手が好きなんだよな。

『ありがとう。もういいよ。』

抱き寄せて俺の胸に引き上げる。

『あの…ダメでした?』

そんなに目を潤ませてどうしてそんなこと聴くんだよ。

『よかったよ。…でも イクときは璃子のナカだから。』

お前の場合俺が求めてるのはテクニックじゃねぇ

『こんなに大きいと思ってなくて…口が裂けると思いました。』

『ばーか。もっとこっちにおいで。』

その柔らかな笑顔だよ。

肩先にたどり着いた璃子にご褒美のキスを落としながら

今度は俺がゆっくりと甘い体を堪能していく

ブラのホックをはずして掬い上げる

…えっ?……ちょっと待てよ

『璃子…お前痩せた?』

…気付かなかった

上から眺めると胸もウエストから腰のラインもさわり心地も違う

『ホントに?うれしいかも。』

潤んだ目で笑って

『痩せんなって。俺はブニプニ派なんだから。』

気づいてやれなかった…

『…ダメ…アッ……んっ。』

こんなに痩せて 小せぇくせにさらにいつもより小さくなって


ぎこちない仕草で俺を一生懸命に愛してくれて

『…京介さん』

震えるほど力をいれて俺にしがみついて全身で俺を感じてた



一人で悩んで苦しんで

小さな体で一人で全部背負っちゃって。

俺に聴いたら 終わるかも……なんて。

もっと 早くに気づくべきだった。

誰よりも愛しい女のために 変なプライドを捨てるべきだった。

バカなのは俺だったんだ。

それに気付くのはだいぶ先だなんて…

俺はコイツの何を見ていたのだろう…

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