あなたの色に染められて
第15章 公認彼女
『ねぇねぇ 京介から?それとも璃子ちゃんから?』
『京…介さんからです。』
『いゃだぁ~京介もいっちょ前に~』
忘年会でなぜだか彼女&奥様グループの席に座らされた私は
『で、京介のエッチってやっぱりうまいの?』
『…いゃ…そのぉ~…たぶん?』
『きゃ~!アイツ散々オンナ泣かせてきたからねぇ。』
キラキラ目を輝かせたお姉さま方から矢継ぎ早にに尋問されて
『で、璃子ちゃんは京介が何人目なのメンズなの?』
お酒を召されたお姉さま方は遠慮を知らない。
『はじめて…の彼でして…』
『うそぉ!京介に奪われちゃったんだぁ。』
身体中が熱くなるほどすべてをさらけ出されてる私はさらにお酒を飲んで頬を赤らめて
『おい美紀!全部ホント?』
『ハイ!京介さんにすべてを捧げちゃってました。』
お姉さまがたからの問いかけに美紀は背筋を伸ばし事後報告。
頭を抱えている私だけど この席すごく楽しくて
『休みっていうと野球じゃん? 30すぎの野球バカって困るよねぇ』
『ホントそうよねぇ。グローブほしいとかさぁ。平気でねだって 少しは家計も考えろって言うの。』
『でもさ 今日みたいにユニホームバシッと着てるとこ見ちゃうと許せちゃうんだよなぁ』
『わかるぅ。野球やってるときの顔は堪んないよねぇ。』
愚痴を言ってるのかノロケてるのか…でも凄く共感できて目を細めていると
『気にならないの?』
隣に座る幸乃さんが別の席に座る京介さんをチラリと見ると
『まぁ気になりますけど…。今日ユニホーム着させてもらったんで。』
京介さんの隣で頬ずえを付く遥香さんが私の瞳に映った。
『強いんだね。璃子ちゃんは』
強がった私の背中をゆっくり擦ってくれる。
『遥香ちゃんのことでなんかあったら私に話して。これでも先輩マネージャーだから少しは役に立てると思うよ。』
『はい。ありがとうございます。』
幸乃さんは本当に素敵な人だった。
『早く豚汁組にこれるといいね。』
『豚汁組?』
『そうよ。豚汁を作るのは奥さんだけなの。朝も早くて大変なんだけど、やっぱりね少しでもお手伝いしてあげたいじゃない?』
『…はい。私もいつか入れるといいなぁ。』
『待ってるからね!私は璃子ちゃんの味方だから!』
『はい!』
ここに来たことで私はまた彼の隣にいる資格を得たような気がした。