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あなたの色に染められて

第17章 運命のイタズラ



『京介のためにわざわざごめんねぇ。』

病室を出ると遥香さんが彼女面して璃子を呼び止めた、

『……。足首 折れてました?』

璃子は京介さんの体がやっぱり心配で

『知らないわよ。そんなこと。それより あんまり余計なことしないでくれない?』

遥香さんは自分の立ち位置が心配で

『……。』

『前に言ったでしょ。京介は寄りを戻したがってたって。』

『……でも。』

『わかんないかなぁ。どうでもいいから忘れさられたんでしょ?』

『……。』

『……記憶が戻ったらって思ってるでしょ。大丈夫。戻っても変わらないわよ。』

勝ち誇った顔。ホントに腹が立つ。

『…。』

『半年と6年の差よ。お遊びって言わなかったっけ。』

穏やかな顔して でもまっすぐな眼差しで

『……信じてますから。約束したんです。』

そうだね。璃子を思い出すよ。

だって二人はあんなに幸せそうに微笑みあってたもんね。


*****



『じゃあ まとめると~。』

『璃子ちゃんのことは知ってる。…で 』

佑樹さんは璃子の顔をチラッと見て

『彼女は…遥香。そんでもって足首は捻挫して すげぇ腫れてんのに 相変わらずの野球バカは変わらないと。』

練習を終えて いつものお店で今夜はビール片手に作戦会議。

璃子は “京介さんと話せて嬉しかった” 何て言うけど それ以上に現実を見せられて苦しかったと思う。

『璃子ちゃん。本当に悪かったな。』

さっきから長谷川さんは頭を下げっぱなしで。

『本当に私のことなんか…。京介さんも意外に元気ですし。ケンタくんが無事だったら私はそれで…』

『璃子ちゃんにまで迷惑かけちゃって。本当に… 幸乃も謝りたいって 言ってたんだけど…』

璃子は『もう気にしないでください』って両手を胸の前で手を振りながら ニコッと微笑んで

昨日の今日でこの笑顔。ホント どれだけ無理してんだか。

『長谷川さん…いただいた宿泊券。期限までに行けそうもないので美紀たちに行ってもらうことにしました。……だから 幸乃さんにごめんなさい。って伝えてください。』

『…璃子ちゃん。』

『もう!そんな顔しないでくださいよ。思い出したら 私を忘れたバツとしてハワイにでも連れてってもらいますから。』


思い出したら。思い出したら。

京介さんはいつ思い出すんだろ

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