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あなたの色に染められて

第3章 二人で


待ち合わせの時間は18時。

『これじゃあ子供っぽいし…やっぱりこれかなぁ。』

悩みに悩んで選んだ紺色のシフォンのワンピースを選んだ私は 髪は少しでも大人に見えるように軽く巻いて メイクもいつもより丁寧に仕上げて

『よし!これでいい!』

夜風が寒いと困るからカーデを持って っと。

…ちょっと 気合い入れすぎちゃったかなぁ。

やっと決めたのに駅前の大きな鏡に写る私を見て溜め息をひとつ吐く。

でも はじめて二人きりで会うってことはデートだもんね。このぐらいはしなきゃ釣り合わない。

言葉巧みに自分を言い聞かせる私は今日という日をどれだけ楽しみにしていたのだろうか。

*

…まだか

待ち合わせの場所に着くとまだ京介さんは来ていなかった。

少し早めに着いちゃったかな。

スマホを取りだし昨日京介さんからきたLINEをもう一度読み返す。

「18時△△駅の壁画前。」

素っ気ない短い文章なんだけど 私にはとってはうれしくて 昨日から何度も何度も読みかえしてる。

緩む頬を隠せないほど心が踊るのはもう彼を好きだということなんだよね。

緩んだ頬を隠すように下を向くと

『なーに、ニヤニヤしてんだよ。』

頭に軽く手を乗せられいつものようにポンポンと叩かれると

『きょ!京介さん!いや…な、なんでもないです!』

どんなに綺麗に着飾っても馴れないものは馴れない。

『顔真っ赤だよ?具合悪い?』

『いえ!大丈夫です。今日はよろしくお願いします!』

私は全力で頭を下げる。

『ぷっ。お願いしますってなんのお願いだよ。』

京介さんはケラケラと笑いながら私の右手をこの間と同じようにサラッと掬い上げ繋いで歩き出す。

その行動力に私の胸はまたキュッと音をたてた。

『璃子ちゃんは嫌いなものある?』

『なんでも食べます!』

繋がれた手は大きくてすべてを包み込んでくれる。

『それなら連れていきたいところがあるんだ。』

少しでも釣り合いがとれればと履いた10センチのヒール

でも 全然足りない背の大きな彼

そんな彼の隣を歩く。

『どこに行くんですか?』

『教えない。』

瞳が重なれば自然と微笑み合う私たち

今日という日が二人の新しい一歩が踏み出せたらどんなに幸せだろう。

楽しい夜になるといいな…

お月さまを見上げながら繋いだ手をそっと握りかえした。

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