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あなたの色に染められて

第27章 お気に入りの場所


『あの席はうるせぇなぁ』

『日頃の鬱憤はらしてんだろ』

奥様軍団の席はお酒が入れば入るほど声のボリュームは上がっていく。

幸乃さんも美紀も璃子ちゃんもその中で楽しそうにケラケラと笑っている。

そんな様子横目にしてた俺たちに1つの爆弾が投下された。

『璃子ちゃんっておっぱいデカイよなぁ。』

『…ブッ…長谷川さん!どこ見てんすか!』

『イヤイヤ京介。今日のあの格好はかなりエロい。』

佑樹さんまでノリノリで

白い細身のタートルネックのセーターは璃子ちゃんの大きな胸を確かに強調していた。

『あの背であの童顔であのおっぱいですよ。マジでエロいですって。』

『直也…調子に乗んなよ。』

『イテッ!』

京介さんは俺の頭をバシッと一発叩く。

『人のオンナをおかずにすんの止めてくれる?』

京介さんは珍しく感情を出して俺たちを説得するけど

『お前 昨日何回抱いた?』

長谷川さんの悪魔の囁きが一瞬で立場を逆転させる。

『マジで勘弁してくださいよ。』

『京介。先輩の言うことは絶対だ。』

佑樹さんをグッと睨み付けるけど 今日は勝ち目はないですよ?

首まで真っ赤に染まりだした京介さんは小さな声で

『…シてないっすよ。』

逃げても無駄だって言うのにそんなこと言っちゃって

『何回ヤった?』

ニヤリと微笑んでもう一度優しい声で聞いてくる長谷川さん。

みんな璃子ちゃんと京介さんを交互に見ながら鼻でクスッと笑ったその時だった。

『……キャッ!』

『…え…』

『ワオ!』

『…うそ…』

俺たちは一瞬で言葉を失う。

俺たちの話を聞き耳を立てていた前に座っていた先輩魔女はタートルネックの首をグッと下ろし

『京介?これは不味いんじゃない?』

さすが魔女!頭があがらないっす。

胸までは見えてないけど…痕っていうか…マークっていうか…

『おまえ高校生じゃねぇんだから。』

『吸血鬼かよ』

『まぁ 久しぶりですしね…。』

『あ~!もう!!』

頭を抱える京介さんは俺たちの格好の餌食。

『京介?何回だ?』

証拠は掴んだ。もう逃げられない。

俯いたまま人差し指を1本立てる。

『1回ね。』

『今朝と合わせて?』

ピースのサイン。

『2回。』

俺たちはゲラゲラ笑った。

二人が寄りを戻したことで やっと俺たちは腹の底から笑いあえた。

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