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あなたの色に染められて

第27章 お気に入りの場所




カーテン越しの朝の光に包まれたベッドの上 目を覚ますと愛しいオンナを胸に抱く


あっちで学生に間違われちゃうから と緩くウェーブをかけた茶色い髪に指を通すと白くて華奢な肩先が寝息と共に上下する。

…フッ 開いてるし

 ほんの少し口を開けて 俺の胸に頬を埋めて眠るこいつの寝顔を見るのは1年ぶりで

…チュッ…

額にキスを落とせば

『…うんっ…』

頬を緩ませて目を閉じたまま微笑むこいつはまだ夢の中

そっと抱き寄せて もう一度目を瞑り璃子のぬくもりを感じる。

…こんなにオンナにハマるとはなぁ

昨晩あの後もアイツらに相当いじられたオレ。

初めてのキスはいつだとか 風呂に一緒に入るのかとか…ガキみたいに はしゃぐアイツら。

でもその質問の度に一つ一つ再確認するように 璃子との想い出を振り返っていた。

すべての記憶を取り戻しているのかは俺にはわからないけど 今俺の胸に頬を埋めているオンナは俺の一番大切なオンナにはかわりなかった。

でも また離れてしまう俺たち。いくら俺のものだと言葉で紡いでも 体にいくつもの印を残しても形無い物は消えてしまう。



『…んぅ…』

俺の腕の中からヒョッコリと顔を出し 寝ぼけ眼で微笑んで

『…起きてたの?』

『璃子のイビキがうるさいから…』

『えっ…ウソ!』

咄嗟に鼻を両手で覆い真っ赤になる璃子はやっぱり見ていて飽きない。

『…ウソウソ…ハハッ』

『…もうっ!』

ちょっとイジメると期待以上の七変化。笑って驚いて恥ずかしがって怒って…

『…おはよ 璃子…チュッ…』

『…おはようございます…』

最後は照れちゃって。本当に飽きない俺のオンナ。

『夕方 夏樹さんの店に行く前にちょっと買い物行きたいんだけど。』

『いいですよ。』

今日は二人でゆっくり居られる三連休の最終日。

明日は俺は仕事で璃子はこの部屋で留守番して夜には家に帰る。

『…璃子…』

『なぁに?』

『…りこ…』

『はぁい』

『…り~こ…』

『…うふふ…もう なんですか?』

顔を見ながら何度も名前を呼ぶと璃子は表情を変えて返事をする。

『…ただ呼んだだけ…』

『…もう…』

『ウソ…璃子…愛してるよ』

『…んっ…』

…誰か教えてよ

…愛してるよりもっともっと深い言葉

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