あなたの色に染められて
第28章 離れていても
『お疲れさまです!』
4月の始め 桜も散りはじめ まだ汗をかくほどの季節じゃないけれど
守備交代でベンチに戻ってきた京介さんに我先にとおしぼりを渡す萌ちゃん。
『ナイスプレイでした!』
俺たちにもハッキリわかるほど京介さんへの気持ちを隠さなくなっていた。
でも そんなの京介さんにとっては何でもないこと。
萌ちゃんの頭をグローブでポンポンと叩きながら いつも俺たちが陣取る一番後ろのベンチに腰かける。
『あんまり 期待させたら可哀想ですよ』
『…あ?…』
『萌ちゃん…目がハートだもんな』
『…知らねぇよ…』
ほらね。いつものことですもんね。
でもさ イケメンの“頭ポンポン”の威力は絶大なんだよな
余韻が残る頭を掌で感じて 一人頬を真っ赤に染める萌ちゃんとの温度差
『なんかさ あの娘ちょっと…違いますよね』
『あぁ わかる…一匹狼的って言うのかな…』
『…そう!それ!…普通はさ マネジャー何人かで “先輩と喋っちゃったぁ” なんてギャーギャー騒ぐけど あの娘なんか違うだろ』
長谷川さんも佑樹さんも気付いてた。
別に萌ちゃんにマネージャー仲間がいないわけではない。
でも 何て言うんだろ。京介さんが絡むときはいつも一人なんだ。
『…まぁ…俺にはどうでもいいけど…』
当の本人は 俺たちの心配をよそにバッド片手に打席に歩き出す。
佑樹さんは目の前を通る京介さんの腕をグッと掴み上目使いでまっすぐ視線を向けて
『気を付けろよ…京介』
重い一言を告げる。
『…だから…しつこいって~』
ヘルメットを手にしてグラウンドへと足を進める京介さんに 俺たちの気持ちは届いているのかわからないけど
『…先輩!…ファイトです!…』
…あら…
あの娘が吠えれば 一匹狼の怖さを感じる俺たち。
まぁ 京介さんのモテぶりは今に始まったことじゃないんですけど
『京介~!一発決めろ~!』
バッターボックスに立ち ピッチャーをグッと見据えて
…カキーン!…
野球と璃子ちゃんをこよなく愛すオトコは 今日も勝ち越しのランナーをホームに返した。
ベンチの前で飛び跳ねて喜ぶ萌ちゃん。
…ありゃ…惚れるわな…
モテる男もこりゃ大変だ…
4月の始め 桜も散りはじめ まだ汗をかくほどの季節じゃないけれど
守備交代でベンチに戻ってきた京介さんに我先にとおしぼりを渡す萌ちゃん。
『ナイスプレイでした!』
俺たちにもハッキリわかるほど京介さんへの気持ちを隠さなくなっていた。
でも そんなの京介さんにとっては何でもないこと。
萌ちゃんの頭をグローブでポンポンと叩きながら いつも俺たちが陣取る一番後ろのベンチに腰かける。
『あんまり 期待させたら可哀想ですよ』
『…あ?…』
『萌ちゃん…目がハートだもんな』
『…知らねぇよ…』
ほらね。いつものことですもんね。
でもさ イケメンの“頭ポンポン”の威力は絶大なんだよな
余韻が残る頭を掌で感じて 一人頬を真っ赤に染める萌ちゃんとの温度差
『なんかさ あの娘ちょっと…違いますよね』
『あぁ わかる…一匹狼的って言うのかな…』
『…そう!それ!…普通はさ マネジャー何人かで “先輩と喋っちゃったぁ” なんてギャーギャー騒ぐけど あの娘なんか違うだろ』
長谷川さんも佑樹さんも気付いてた。
別に萌ちゃんにマネージャー仲間がいないわけではない。
でも 何て言うんだろ。京介さんが絡むときはいつも一人なんだ。
『…まぁ…俺にはどうでもいいけど…』
当の本人は 俺たちの心配をよそにバッド片手に打席に歩き出す。
佑樹さんは目の前を通る京介さんの腕をグッと掴み上目使いでまっすぐ視線を向けて
『気を付けろよ…京介』
重い一言を告げる。
『…だから…しつこいって~』
ヘルメットを手にしてグラウンドへと足を進める京介さんに 俺たちの気持ちは届いているのかわからないけど
『…先輩!…ファイトです!…』
…あら…
あの娘が吠えれば 一匹狼の怖さを感じる俺たち。
まぁ 京介さんのモテぶりは今に始まったことじゃないんですけど
『京介~!一発決めろ~!』
バッターボックスに立ち ピッチャーをグッと見据えて
…カキーン!…
野球と璃子ちゃんをこよなく愛すオトコは 今日も勝ち越しのランナーをホームに返した。
ベンチの前で飛び跳ねて喜ぶ萌ちゃん。
…ありゃ…惚れるわな…
モテる男もこりゃ大変だ…