あなたの色に染められて
第29章 HAPPY BIRTHDAY!
『ただいま~。』
玄関の扉を開けていつものようにまっすぐに洗濯機に向かった私。
…やっぱり
そこには山のような洗濯物がちゃんと私を待っていて
…まったく
でもそれは 誰もこの部屋に来てないっていう証しなような気がして
色分けをしながら一人ニヤニヤと洗剤を入れているときだった。
『キャッ.。』
後ろから抱きしめられたと思ったら セーターの裾からキャミ越しに手を這わせて
『…璃子…。』
耳朶を甘噛みされて熱い吐息と共に囁かれれば
『…んっ…京介さん?』
私は身を捩り京介さんの手をセーターの上から押さえつける
『…待って…ハァ…シャワーもまだ…んっ…。』
耳と首筋にたくさんのキスを落としながら 押さえつけていた手を反対の手で振り払い
クルリと向きなおさせると 私を見下すような鋭い目をして
『…ダメ…待てない…。』
私はこの射抜くような瞳で見つめられると動けなくなる。だって それは私だけを求めてくれるようで…
その視線が唇に落ちたとき
『…んっ…。』
顎をスッと指で持ち上げられ唇を重ねた。
***
居酒屋に入るときもそうだった。
パパの車を見送ったあと 裏の駐車場に連れていかれたと思ったら
私が大好きなあの表情で…グッと見据えて
「…逢いたかった…。」
「…京介…。」
彼の腕のなかで甘いキスをしたよね。
***
京介さんの舌が拒んでいた私の唇をこじ開けて 私の舌を探し廻る。
『…んっ…。』
捉えられると 私の体をグッと引き寄せて ブラのホックを片手で外した。
『…京介さん。』
『…バンザイ…。』
こんな明るい場所で脱ぐなんて
『…恥ずかしいです。』
『恥ずかしがる璃子が見たいの…。』
唇を微かに触れながら京介さんは私と言葉を交わす
『…見せて…璃子の全部…。』
そう言うと 一気に捲り上げてセーターを床に落とし ショートパンツのボタンに手をかけた。
『…ちょっと…待っ…んっ…。』
『…うるさい。』
唇をキスで塞ぎ 片手でバタバタと抵抗する私の両手を掴み
『…もっと…恥ずかしがって。』
『…待って。』
『…俺はすげぇそそるけど…』
『…もう…エッチ…』
私を生まれたままの姿にした。