あなたの色に染められて
第29章 HAPPY BIRTHDAY!
『I think of ……』
聞き慣れない言葉が夢と現実の間で響いていた。
ふと ぬくもりを探すけどそこは もぬけの殻で
…朝か…
カーテンの隙間から差し込む朝陽が一直線に俺の顔を捉え
今日も野球日和だな なんて思いながらやっと目覚めた俺はその声に耳を澄ます。
『……ask him to call you back.
Thank you for calling, Dr.Tatsuya.』
…ホントに喋れるんだな…
アメリカでの璃子の世界にはじめて触れた気がした。
気を使ってか俺の前で仕事のことは話すことはない
それなりにやってはいるんだろうと思っていたけど これだけの英語力 アイツはかなり頑張ってんだなって
だって いつもの甘い声じゃない。可愛らしい声に一本筋が通ってる仕事のできる女 …なんて誉めすぎかな
でも その反面俺の知らない璃子に触れてる感じもあって…
『OK!I got it.
Aa~ thank you so much.』
なんだか 寂しさもあった。
『ごめんなさい…起こしちゃいました?』
手を伸ばし俺のそばに座らせると
『その格好反則』
『…だって…着るのなかったんだもん…』
ベッドの真上に一枚だけ干してあったYシャツを着て恥ずかしそうに裾を押さえていた。
コイツは男のロマンシリーズが本当によく似合う。
『おまえもうパジャマ禁止。Yシャツで過ごせ。』
『また変なこと企んでますよね』
『男はそういうもんなの』
口を尖らせる璃子をベッドに引きずり込んで ボタンを一つづつ外していく。
『…もう…試合遅れちゃいますよ…』
『こんな格好してるおまえが悪い…ノーブラに…おぉ…ノーパンだし…』
『…ちょっと…』
きっとまだまだ文句を言いそうだから その愛らしい唇に蓋をして
『いただきます』
『…もう…んんっ…』
昨晩だって どんだけコイツをイかせたんだってぐらい寝かさなかったのに
耳たぶを食み首筋にキスを落とせば 璃子は背を撓らせながら俺の胸に指を這わす。
『…京介…大好きだよ…』
『…知ってる…』
指を蜜壺にツプリと差し込めば
『…んんっ…』
『…だから…声聴かせろって…』
潤んだ瞳を向けるコイツも一緒。
『…んっ…アッ…』
いつだってお互いを感じていたいんだ。