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あなたの色に染められて

第32章 幸せのおすそわけ


『悪い美紀ちゃん…璃子のバッグ俺の首にかけて。』

『ほら璃子…京介さん家着いたよ。』

後輩に俺の車を運転させて 妊娠中で酒を控えてる美紀ちゃんの車で家まで送ってもらった。

『京介さん大丈夫?』

璃子を肩に担ぎ 首からバックをぶら下げて 空いてる手にはボストンバック。

『じゃ ありがとな。助手席のパパによろしく。』

璃子と直也は珍しく酔い潰れた。

「お休みもらうのに毎日残業残業で頑張ってたみたいで。」

車の中で美紀ちゃんに教えてもらった。

疲れて飛行機飛び乗って時差ボケだってまだあるはず。

今日だって豚汁組に参加して ヒット打ってホームに駆け込んで 魔女たちの夜会に参加して。

そりゃこうなるわな…。

『…鍵は…おっと…ほら動くな。』

『…う…。』

玄関をなんとか開けて

『靴は…後でいいか…』

ボストンバックを落とし

『…よいしょ…。』

ベッドにそっと寝かせた。

『…京介さ…京介さ…』

手を伸ばし俺を探すなんて…ホントに可愛いヤツ。

『ハイハイ。ここにいますよ。』

靴を脱がせコートを脱がせ。

『…熱い…。』

『今脱がせてやるから。』

初めてだよな。コイツのこと世話すんの。

『…バンザイ。』

『…んぅ…喉乾いた…。』

キャミソールからチラリと覗く白い素肌に璃子らしいピンクのショーツ。

…ハァ…すげぇ そそるんだけど…。

『…熱いの…。』

紅く火照った頬を軽く撫でベッドから腰を上げると

『…京介…。』

また細い腕を伸ばすから

『…待ってろ…すぐ水持ってくるから…。』

『…うん…。』

虚ろな瞳を俺に向け 気だるそうにシーツに指を這わす。



ベットサイドに座り璃子の背中に手を添え少し起き上がらせて

『ほらよ…飲めるか?』

『…飲めない。』

『…ったく…。』

唇を寄せて水を少しずつ口内に流し込んでいく。

『…はぁ…もっと…。』

『ハイハイ…。』

こいつは当分 酒禁止。って言うか…アメリカでこんなに酔ったことねぇだろうな…。

『…ねぇ…熱いの…。』

『…呑みすぎなんだって。』

『…違うの…。』

俺の胸に頬を埋めて 瞳を潤ませ

『…京介が欲しいの…』

『…は?…』

酒の力ってホントに凄いわけで

『…抱いて…京介…。』

『…ハァ…?』

もう絶対に呑ませねぇから。

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