あなたの色に染められて
第32章 幸せのおすそわけ
『…逢いたかったの…。』
俺の頬を包み込むように手を添えてゆっくりと璃子はベッドに倒れていく。
『…毎日毎日…逢いたかったの…』
細い指先が俺の首に絡まり虚ろな瞳に吸い込まれるように引き寄せられる。
『…わかったから。今日はもう寝よ?』
『…どうして?…京介をこんなに感じたいのに…。』
だから…ハァ…。理性を捨てちゃうぐらい酔ってんじゃ無理だって。
潤んだ瞳で見上げながら首に廻る細い指先は俺の頬や唇を撫でて
『…ねぇ…ダメ?…』
『…ダ~メ…。抱っこして寝てやるから。』
『…じゃ…バンザイして。』
…おいおい…俺の話聞いてる?ここまで酔ってるならマジで寝ろって。
『俺がバンザイしたら寝る?』
『…寝ないよ…京介とエッチするから…。』
マジでこいつ魔女たちに何呑まされた?媚薬でも盛られたか?
『…京介が脱がないなら私が脱ぐ…。』
『おい!待て待て…。』
キャミソールの裾に手を掛けて 一気に脱ぎさると真っ白な素肌に揃いのピンクのブラにショーツ…
俺…凄くねぇか?大好物前にして我慢してんだぜ?
『わかったから。あぁもう…ホントに風邪引いたらどうすんだよ。』
布団を掛けてギュッと抱きしめると柔らかい璃子の素肌に俺の理性が飛びそうになる。
『…京介といっぱいキスしたいの…』
そんなの唇が腫れるほど明日してやるから とにかく今日は頼むから早く目を瞑ってくれって。
『…ねぇ…キスして?』
『…チュッ…はい…おやすみ…。』
頼む!これでおとなしくなってくれ。
『…違う…こういうチュー…。』
『…わっ!…んんっ!…』
グルッと体を入れ換えられ璃子が俺に覆い被さると 吸い付くようなキスを角度を変えながら何度も落としてきた。
『…ねぇ…舌…ベェってして?ベェって…。』
俺の真似して舌を欲しがるなんて…10年早ぇっうの。
『…バ~カ…。おまえもうどうなっても知らねぇ…。』
理性を飛ばすのなんてコイツを前にしたら簡単なんだって
『…キャッ…。』
もう一度璃子を組敷いて 着ていたパーカーを脱ぎ去り
…せっかく寝かしてやろうと思ったのに…
『…下手くそ…キスはこうやってするんだよ…。』
『…んっ…。』
アルコールの甘い吐息と共に舌を吸い上げて絡めて
『…メチャクチャにして…?』
俺を煽る天才は今日もご健在だった。