
あなたの色に染められて
第33章 幸せのカタチ
『はいOK!』
『ありがとうございます。』
京介さんにいつものように髪を乾かしてもらった。
露天風呂では期待を裏切り? 結局少しイチャイチャする程度で今に至る。
スマホの時計はまだ21時…。夕食の時間も早かったし お風呂でのんびりしたって布団に入るにはまだ早い時間。
『少し飲むか?』
『そうですね。』
昼間に買った地元のワインの封を開け2度目の乾杯をして
『このチーズも旨いな。』
こんなにのんびりと過ごすイヴも悪くないかなって思ったりして。
『京介さん これ…。』
『おっ。すげぇ。』
私が贈った物は壊れてもお直しができる有名ブランドの
『…名刺入れか…。少し破けてんの知ってた?』
『京介さん 物を大切にするから…ここのだとお直しもできるからいいかなって。』
『さすがだな。俺の女は…』
隣に座る私を引き寄せて京介さんの腕のなかに包まれるとご褒美のキスをくれた。
いつものように京介さんの脚の間に座って半身になりながら会話を楽しむ。
このダイヤのネックレスをもらったからなのか内容は今まで触れてこなかった私たちの夢の話。
『璃子には白無垢も着てほしいかな。』
『教会もいいけど神前もいいですよね。京介さんは羽織袴も似合いそう。』
『おまえチビだからドレス着たら裾ズルズルに引き摺りそうだもんな。』
『悔しいけどそうなの…。友達は旦那さんとのバランスを考えて12㎝のヒール履いたんですって。私は何㎝の履けばいいんだろう…。』
『俺が183で璃子は150だっけ?』
『155㎝です!』
『チビには変わらねぇだろ。』
『5㎝は大切なんです!…んっ…。』
『こうやって座ってる時のキスはいいんだけど…立ってるとお互いの首が限界にチャレンジしてるみたいで折れそうだもんな。』
私たちは長くお付き合しているけど 二人で過ごしている時間はものすごく少ない。
一年で20日?…たぶんそのぐらい。
だからかな…。こういう話をする時間もなかったのかもしれない。
『璃子はキスが好きだからな。』
『京介さんは嫌いなの?』
『ん?たぶん…俺の方が好きだと思うよ。』
重ねた唇が甘い時間の始まりの合図だった。
『…ベッド行こうか…。』
答える代わりに京介さんの首に腕を廻した。
…だって私の体はお風呂に入っている時から京介さんを求めていたから。
