あなたの色に染められて
第37章 素直にI'm sorry
『ふぅ~。生き返ったぁ。』
京介さんはまだ熱は少しあったたけど サッパリしたいからとゆっくりとお風呂に浸かった。
『おっ うまそうじゃん。どれどれ?』
『あ~。つまみ食いなんてお行儀悪いですよ。』
熱がまだあるからお粥やおうどんでもなんて考えてたけど 京介さんは普通のご飯が食べたいそうで
『煮付けに肉じゃが、ゴマ和えに…やったね豚汁まであるじゃん。』
風邪じゃなくてただの知恵熱みたいなもんだって言うけど 後ろから抱きつく体と吐息はまだほんの少しいつもより熱くて
『ビールは…。』
『ちゃんとお熱が下がるまで我慢してください。』
『チェッ…つまんねぇの。』
口を尖らせてダイニングテーブルに着きこっそりとゴマ和えに手を伸ばす京介さんはまるで子供のようだった。
***
『おかわり。』
お昼に来たときは虚ろな瞳で踞って寝ていたのに
『悪い豚汁も。』
『病み上がりでそんなに食べて大丈夫ですか?』
『だって旨いんだもん。』
まぁ これだけ食べれれば明日の朝には元気になってるはずと私も少し安心して。
『ねぇ 京介さん。今年のお誕生日はどうしますか?お仕事だからどこにも行けそうにないですし。』
そうなんだよね。京介さんのお誕生日はGWのど真ん中。見学も本格的に始まるから誕生日どころじゃないんだよね。
でもさ 一年に一度なんだもの。大切に過ごしたいじゃない?
『どこかいいところにご飯でも食べに行きます?それとも…。』
『あのさ…その日…ちょっと付き合ってほしいとこあんだよな。』
『あっ…はい…。』
どこだろう?まぁ 京介さんのお誕生日だから好きなように動いてもらうのが一番か。
『それとさ…プレゼントもいらねぇからな。余計な気使うなよ。』
『…そんな…プレゼントぐらい…。』
なんだろなんだろ。変な感じ。さっきまで笑顔だったのに急にぶっきらぼうな顔して。
『あっ。ひとつだけほしいのがあった。』
『なんですか?』
今度はなんだか嫌な予感。上から目線でニヤリと微笑む得意技。
『去年みたいなエロい下着。』
『ヤダ!…もう忘れてよ!』
『今年は黒とか赤とかすげぇの期待してるから。』
ほらねやっぱりこうなるんだ。意地悪に微笑んむといっつもそう。
『着ませんから…絶対に!』
もう!こんなに意地悪ならまだ治らなくても良かったのに!