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あなたの色に染められて

第40章 誰かのために


『…もう…お願い…。』

腰と胸を何度もビクつかせながら そんな瞳で俺を見つめても

『イカせねぇって言ったろ?』

もう何度目だ?果てる直前に蕾から舌を離し 指の動きを止めて コイツの体を苦しめて

『…京介…ハァ…。』

立ち上がった俺に手を伸ばし首に腕を巻き付け引き寄せ

『…体が…おかしいの…。』

そう 甘く掠れた声で求められても

『もっと おかしくなれよ。』

『…アァッ…。』

璃子のナカに残した2本の指でまた弱いところを攻め立てるだけ。

『イキたい?』

きっと指を抜けば滴るほどの蜜が溢れてくるだろう。

『…お願い…。』

でもどんな顔してお願いされても

『…ダメ…。』

俺はまたピタリと指の動きを止めてしまうから 不完全燃焼の璃子は俺の背中に爪を立てる。

埋めていた俺の首筋に唇を押し当てて 耳や頬にキスを落として

『…京介…。』

俺の頬を両手で包み込んで 璃子から唇を重ねようとするけど

『…やめろよ。』

こいつの欲しがるものすべてもシャットアウトして

『…イヤッ…ハァ…。』

また 2本の指を不規則に動かせば俺の瞳をじっと見つめ 快楽に溺れた淫らな顔を俺に見せつけた。


***


『…京介…。』

まただ…。果てる直前で京介さんはすべての愛撫をピタリと止める。

私の体を知り尽くす京介さんはどこをどう攻めたらどうなるのかすべて知っている。

『…苦しぃ…。』

クスリと笑って射抜くような瞳で私を見下ろして

『もっと苦しめよ。』

また 指を動かし始める。

下腹部がビリビリと疼き 腰は跳ね たぶんこれが限界の先なんだと思う。

…気持ちいいのに苦しい…

届いているのに届いていないこの距離。もっと京介さんで埋め尽くされたいのに。

それなのに今の私は愛する人に こんな恥体を曝して。

キッチンの上で裸にエプロンだけを身に付け 足を大きく広げ彼の指や舌に従順に反応して

…ねぇ…欲しくて欲しくて堪らない私に気付いてるでしょ?

『そんなに欲しいのかよ。』

射抜くような視線に曝されると私の中の糸がプツリと切れた。

『…もう 指はイヤ…。』

京介さんの固くなった自身に指を這わせて

『欲しいの…京介が…。』

重ねた視線が一瞬揺らいだから 私は京介さんの唇に

『…おまえ…っつ…。』

細くて熱を帯びた舌を捩じ込んだ。

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