テキストサイズ

あなたの色に染められて

第40章 誰かのために


細い舌先が俺の舌を捕らえると 後頭部の髪を細い指先でクシャリと握りさらに引き寄せた。

唇の隙間から吐息とともに俺の名前を呼んで 固くなった自身の形を確認するように柔らかな指を滑らせて

『…京介…。』

まるで酒に溺れて理性を飛ばしたあの日の璃子のように必死に舌を求めて

『…欲しいのか?』

『…うん…。』

唇を離しても何度も啄むように唇を重ね

『こんな明るいキッチンで?』

『…焦らさないで。』

もう待てないとばかりに俺のスエットの中に手を入れて

『おまえさ…。』

センセイと仲良く飯食ってきた罰としてこんな状況下で散々虐めぬいたのに

『…知らねぇぞ。』

おまえはその罰をご褒美だと勘違いするから

『ほら 腰突き出せよ。』

わざと乱暴にキッチンから降ろして反転させて

『…そんなに欲しいなら…。』

『…アァッ…。』

ゴムも付けねぇで

『…フッ…くれてやるよ。』

準備万端な璃子のナカに一気に捩じ込んだ。

どこにも掴むところのないキッチンで 背を撓らせる璃子は 相変わらず吐息程度にしか声を発しない。

最初のうちはすげぇ戸惑った。今までの抱いたオンナは口を手で隠したくなるほど 大声で喚いていたのに

『…ハァ……んんっぅ…。』

コイツはまったく逆。快楽に溺れれば溺れるほど唇を噛んで 声を押し殺す。

『…璃子…。』

おまえはすぐに限界を迎えたがる。でも 今日は散々我慢したから 果てるのなんかあっという間だろ?

後ろから璃子の顎を掴んで 律動を繰り返す俺の方を向かせると

…ほらな…。

天国への扉はすぐそこらしく 潤んだ瞳で俺に訴えかけるように口をほんの少し開けて舌をチラリと見せつけて

『…ホントに俺好みのオンナになったな…。』

お望み通り吐息を漏らす唇に蓋をして

『…ヤァ…ハァ…ァ…。』

呆気なく天国へと旅立たせた。

立っているのもやっとなほどの璃子の体を抱えあげ 目指すはリビングのソファー。

『…やだよぉ…。』

『…ダメ…おまえが動いて俺をイカせろよ。』

俺の腰に跨がらせ 璃子のナカに自身を沈めて

『ほら早く。欲しがったのはおまえだろ?』

突き放すように言葉を放てば 璃子は俺の首に腕を巻き付けて

…私を見て…と言わんばかりに視線を絡めて

『そう 上出来。』

ほんの少し微笑みながら腰を動かし始めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ