
あなたの色に染められて
第40章 誰かのために
『こんばんわ…。』
以外にも先に顔を出したのは萌だった。
佑樹さんの背中に半分隠れるような形で俺たちの前に表れた萌は以前のようなあの一匹狼のギラギラとした雰囲気は感じさせなかった。
二人並んで席に着くと萌は俺たちに深々と頭を下げた。
来たもののバツが悪そうな萌はずっと俯いてたけど
『今何ヵ月?』
この重い空気をバッサリ切ったのは幸乃さんで
『5ヶ月に入ったところで…予定日は4月の始めごろです。』
『じゃあ 卒業したあとかぁ。』
お腹にそっと手を添えながら佑樹さんの顔を覗き込むその姿を目にすると
二人の関係をちゃんと育んできたんだって思い知らされて
『さて 聞かせてもらおうか?あの佑樹が目を細めることになった訳を…。』
少し流れが変わったこの空気を壊しちゃいけないと さっそく尋問開始。
二人は頬を染めながら見つめあうと
『いいのかな…話して。』
萌はゆっくり大事に言葉を紡いだ。
『私を救ってくれたんです。』
それは遊び人だった佑樹さんらしからぬ話だった。
京介さんに見事に振られた萌は自暴自棄になってかなり遊び回っていたらしい。
その現場ををたまたま佑樹さんに見つかって こっぴどく怒られたそうだ。
それから佑樹さんは心配してちょくちょく連絡を取るようになって…。
『俺が惚れたの。』
佑樹さんはぶっきらぼうに言うけど 見てればわかる。惚れてるのは間違いなく萌の方。
だって さっきからすごく優しい顔して佑樹さんに視線を送ってる。
***
その雰囲気に俺たちがすっかりと馴染んだ頃
『ゴメンナサイ!遅くなりました。…あっ…。』
登場したのは淡いピンクのスーツを着た璃子ちゃんで
『おかえり…璃子。』
萌が視界に入ると一歩後ろに下がって 動揺を隠しきれない璃子ちゃんに 京介さんはスッと立ち上がってエスコートして
今俺たちが聞いた話をゆっくり丁寧に目を見ながら話していくと
俯いていた璃子ちゃんの表情が明るく華やいで
『腹に赤ちゃんいるらしいよ。』
そう告げると
『うそ!』
やっぱりか…。
手を胸の前でパチンと叩いて満面の笑みで
『おめでとうございます!!』
本当に凄い子だよ璃子ちゃんは…。
『さて 面子は揃ったな…じゃ改めて佑樹と萌ちゃんの幸せを願って…。』
『カンパーイ!!』
グラスを高く掲げた。
以外にも先に顔を出したのは萌だった。
佑樹さんの背中に半分隠れるような形で俺たちの前に表れた萌は以前のようなあの一匹狼のギラギラとした雰囲気は感じさせなかった。
二人並んで席に着くと萌は俺たちに深々と頭を下げた。
来たもののバツが悪そうな萌はずっと俯いてたけど
『今何ヵ月?』
この重い空気をバッサリ切ったのは幸乃さんで
『5ヶ月に入ったところで…予定日は4月の始めごろです。』
『じゃあ 卒業したあとかぁ。』
お腹にそっと手を添えながら佑樹さんの顔を覗き込むその姿を目にすると
二人の関係をちゃんと育んできたんだって思い知らされて
『さて 聞かせてもらおうか?あの佑樹が目を細めることになった訳を…。』
少し流れが変わったこの空気を壊しちゃいけないと さっそく尋問開始。
二人は頬を染めながら見つめあうと
『いいのかな…話して。』
萌はゆっくり大事に言葉を紡いだ。
『私を救ってくれたんです。』
それは遊び人だった佑樹さんらしからぬ話だった。
京介さんに見事に振られた萌は自暴自棄になってかなり遊び回っていたらしい。
その現場ををたまたま佑樹さんに見つかって こっぴどく怒られたそうだ。
それから佑樹さんは心配してちょくちょく連絡を取るようになって…。
『俺が惚れたの。』
佑樹さんはぶっきらぼうに言うけど 見てればわかる。惚れてるのは間違いなく萌の方。
だって さっきからすごく優しい顔して佑樹さんに視線を送ってる。
***
その雰囲気に俺たちがすっかりと馴染んだ頃
『ゴメンナサイ!遅くなりました。…あっ…。』
登場したのは淡いピンクのスーツを着た璃子ちゃんで
『おかえり…璃子。』
萌が視界に入ると一歩後ろに下がって 動揺を隠しきれない璃子ちゃんに 京介さんはスッと立ち上がってエスコートして
今俺たちが聞いた話をゆっくり丁寧に目を見ながら話していくと
俯いていた璃子ちゃんの表情が明るく華やいで
『腹に赤ちゃんいるらしいよ。』
そう告げると
『うそ!』
やっぱりか…。
手を胸の前でパチンと叩いて満面の笑みで
『おめでとうございます!!』
本当に凄い子だよ璃子ちゃんは…。
『さて 面子は揃ったな…じゃ改めて佑樹と萌ちゃんの幸せを願って…。』
『カンパーイ!!』
グラスを高く掲げた。
