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あなたの色に染められて

第41章 あなたの色に染められて


『それでは新郎新婦の入場です!!』

バタン

ありきたりな結婚行進曲が流れると扉は勢いよく開き

『わぁ…。』

『すごいだろ?』

パステルカラーのお花とバルーンで飾られた会場に 私たちを支えてくれたたくさんの笑顔。

『なに口開けてんだ…今日は楽しませてもらおうぜ。』

呆気にとられている私の耳元で京介さんが囁くと

やっと みんなの声が耳に届いた。

『おめでとう!』

まっすぐに敷かれたレッドカーペットの上を手を繋いでゆっくりと歩く。

普通なら腕を組んで歩くだよね。でも 私たちにはこっちの方がたぶん似合ってる。

『璃子ちゃん可愛い!』

『京介~鼻の下が伸びてるぞ!』

だって 私は京介さんの人生についていくことを今日 神様に誓ったんだから。


***


『司会は私 二人のキューピット「直也」が勤めさせてもらいます!』

直也さんは大きな蝶ネクタイを首にして いかにも二次会の司会者。

『では 早速 乾杯の音頭を今日の料理を一手に引き受けてくださったこの人にお願い致しましょう。』

私たちの前に現れたのはいつものように目尻に深いシワを刻みながら優しく微笑む

『…夏樹さん…。』

シャンパングラスをいつものように手慣れた手つきで持ち 私たちにウインクすると

『京介 璃子ちゃん結婚おめでとう。京介…俺すごく嬉しいよ。あの笑顔大事にしろよ?』

その声はいつものように低音で優しく耳に届く夏樹さんの声で

『璃子ちゃん。京介に幸せにしてもらうんだよ?』

私たちの弱いところを全部知ってるからこそ紡げる言葉で

『それでは!二人の幸せと皆様の幸せを願って…カンパーイ!!』

『『カンパーイ!!』』

グラスを重ねると会場はさらに賑やかな声に包まれて

『あの~!みなさーん!続いてアイスバイトを行いますよー!』

…アイスバイト?ケーキバイトじゃなくて?

何もかもがサプライズな状況に私は目をキョロキョロとさせると

『だから 楽しもうって言ったろ?』

京介さんは私の手を握りエスコートしてくれると

『…あっ!』

夏樹さんは赤いリボンで飾られたコーヒーポットを私たちに持つように促して

『…どうぞ?』

そこにはケーキじゃなくてハートの形をした甘いミルクジェラード。

そう 私たちみたいな…アフォガード。

夏樹さんの目にはキラリと涙が光っていた。

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