
あなたの色に染められて
第42章 epilogue
『…んぅ…。』
いつもと変わらない甘く焦がれるキスなのに今日はやけに熱を感じた。
『おまえは嫌い?…俺のキス。』
『…好き…。』
『フッ…じゃあ 問題。』
顎をスッと持ち上げられて上唇と下唇を交互に啄む京介さんが甘えているときの可愛いキス。
『これと。』
『…んうっ…』
今度は舌で抉じ開けられ深く絡めとられる大人のキス。
『これ。』
『…ハァッ』
ニヤリと微笑んで頬に手を添えると
『両方正解じゃないよな?おまえの一番好きなキスは…どんなのだっけ?』
長い指が私の舌を誘導するように唇の輪郭をなぞる。
『…べーっ…んうっ…。』
狙いを定めていたように一瞬で捕まると 愛撫するように舌先を絡め 私の身も心も侵食していくような蕩けるような甘いキス。
『…これだよな?』
答え合わせ…だなんて言うけど 愛され方はすべて京介さんに教えてもらったんだもの。全問正解に決まってるじゃない。
鼻先が当たり息遣いまで感じてしまうこの距離で私を焦らすように問題を出し
『次は耳かな?』
『もう…いいよ…。』
お互いまだ布で肌を被ったまま ぬくもりさえ確かめあっていないのに
『まだ答え合わせが始まったばかりだぜ?』
そうやって 私をすぐに困らせる。
でも さっき言ったよね?意地悪をする京介さんも好きだって。
『…もういいから。』
『我慢できなくなったとか?』
あなたにその意地悪な視線を向けられたら私の体はもう疼いてしまう。
『たくさん愛してくれるんですよね?』
『あぁ。全部な。』
京介さんのトレーナーの裾を持ち上げて
『…私も愛したいです。』
『先に脱がされるとは…ずいぶんと積極的になったな。』
スルリと脱がせれば頬を埋めたくなる厚い胸板に 私を包み込んでくれるたくましい腕。
体を少しだけ浮かせていつも私に安らぎを与えてくれるそこに唇を押し当てる。
『…私も…全部好きなの。』
京介さんの手を掴み その長い指にキスを落とす。
『この指は答えを全部知ってるんですよね?』
視線を合わせるとイタズラに微笑んで唇をペロリと舐められる。
『この舌はもっと知ってる。』
今度は京介さんが私のパジャマのボタンに手をかけた。
驚くかな…?
一日遅れてしまったけど アメリカでは花嫁はブルーの何かを身に付けると幸せになるんだって。
