あなたの色に染められて
第42章 epilogue
『…アッ…ダメ…。』
耳朶をキュッと吸われると今度は舌でなぞられる。
肩をビクリと窄めると笑ったのかな。その息遣いが耳元を擽る。
だんだんに耳の奥へと降りていく舌
京介さんの甘い吐息とグチュグチュと鳴り響く唾液の音が私の体に熱を与える。
『…うあっ…ハァ…。』
自然と漏れる声。それは身も心もすべて委ねたから
『可愛い声だな。』
後頭部の髪をクシャリと掴み引き寄せて 愛しい人の耳元で喘ぐ私。
『…んはぁ…。』
ブラを脇にずらして露になった尖った先を指でクリクリと摘まんで引っ張って
何度も体を震わし跳ね上げてしまうその姿を見て またフッと笑って息を耳元に吹き掛ける。
濡れた耳に息が掛かるとまた違った快楽がそこには生まれ
『俺の嫁さんはホントに感度がいいな。』
『…ハアッ…。』
掠れた声が吐息となって疼いている下腹まで届く。
『…京介。』
首筋から耳へ…耳から唇へ…。何度も往復する熱を持った彼の舌。
唇にたどり着くとその舌に細い舌を無心で絡めて熱を分けあって
『そんな目で見るなよ。』
京介さんのキスはいつも私の心を蕩けさせ思考回路を麻痺させていく。
はじめてキスをしたあの日から私は薄くて冷たいこの唇の虜だ。
『もっとして欲しい?』
『…うん。』
『でも こっちも可愛がってあげないと…待ちくたびれてんじゃない?』
『…アンッ…。』
狙いを定めたように一気に尖った先を頬張ると わざと音を立てて吸い上げて
背を反らすとスッと腕を廻してブラのホックを外して 窮屈だった私の胸を解放した。
両手で掬い上げるように引き寄せると中央に寄せ 重なりあう粒を舌と指先で交互に愛す。
この愛撫もまた私を淫らにする。
吸い上げて舌先で転がされ 絡め取られ
『ほら 声 聴こえない。』
耐えられなくなると自然と唇を噛んでしまう癖
唇を噛まないとずっと漏れてしまう淫らな声
…カリッ…
『…アンッ…ヤアッ…!』
ここぞとばかりにわざと歯を立てるなんて
『その声 すげぇそそる。』
満足気に微笑む京介さんがちらりと私の瞳に写ったら 余計に恥ずかしくなった。
『顔隠すのも禁止じゃなかったっけ?』
『意地悪…。』
きっとこの言葉も今日の京介さんには誉め言葉になってしまうんだろうな。
サラサラの彼の髪に指を通してまた抱き寄せた。