あなたの色に染められて
第42章 epilogue
『おいで。』
肩で息する璃子を抱き起こすと透かさず唇を塞ぐ。
苦しがるくせに俺の舌を受け入れ 絡め むしろ吸い付いてくる細い舌
『そんなにキスしたかった?』
瞳を覗けば視線をそらしコクリと頷き唇を噛む。
『オレも。』
同じ思いが嬉しいのか 一瞬目を細めると腕を伸ばし首に絡め
『…もっと…。』
こんなに近くにいるのに聞き取るのがやっとなほど小さな声でキスをねだる。
たかがキスなのに璃子とのキスはされどキス…
重ねてしまえばその柔らかな甘い感触が俺の欲を掻き立て狂わせる。
『立てる?』
脇を抱えて膝で立たせ 俺の目線よりも高くすると 口の前には上をツンと向いたピンク色の可愛い果実。
『可愛いな。』
『…ハァ…ンウッ。』
もうこの体すべての虜。
『…イッっ…。』
大好物な果実に歯を立て璃子の顔を見上げれば 首を振って恥ずかしがって
『…イヤぁっ…。』
歯をさらに食い込ませれば 背を反らせ天井を仰いだ。
***
『ズルいです。』
『何が?』
璃子の両手が俺の頬に添えられると唇を尖らせて
『さっきから私ばっかり。』
『気持ちよくしてもらってって?』
先回りして言葉の続きを奪い取ると
『…もう…』
期待通り頬を赤らめる。
『脱がせてよ…もう痛いぐらいだから。』
頬に添える手を熱を籠ったその場所に導くと
『…え…すごい。』
『だろ?』
考えてもみろよ。おまえは何度も高みに昇ってるのに俺まだスエット履いて…そりゃこうもなるだろ
『だから…早く脱がせよ。』
璃子はスエットに手をかけると 俯きゆっくりと下ろしていく。
『焦れったい。』
『ゴメンナサイ…。』
やっと脱がされると璃子は熱にそっと指を這わせる。
『痛いの?』
やっと顔を上げたかと思ったら やたら心配そうな顔しやがって
『見りゃわかるだろ…もう限界。』
『…キャッ!』
こんな大事な夜でさえ 押し倒してしまう俺。
でも 璃子は違ったんだ。
『挿れるよ。』
『…アッ…ハウッ…。』
蜜が滴るその場所に熱を迎え入れると 細い腕を首に巻き付けて
『…京介…。』
俺の名前を囁き微笑んだ。
どうしてかな…こんなときにふと想ったんだ。
何十年先 俺がこの世を去るときに瞼に映る画は
この穏やかに微笑んだ璃子の笑顔なんだろうな…って。