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『…ウフフ…。』

額に京介さんの大きな手が添えるれると髪を梳くように優しく指を通した。

『何がおかしい？』

その指先がとても優しくて心地よかったからつい言葉が漏れてしまって

『擽ったくて…｡』

こんな素敵な夜なのに笑ってしまうなんて…

『気持ち良くての間違いだろ？』

『バカ…。』

瞳を重ねれば 同時に微笑みあって額を合わせる。

繋がったはずなのに 覆い被さる京介さんは動こうともせず優しい瞳でお喋りを続けて

『なぁ…さっきのもうひとつ知りたい？』

『さっきの？』

でも これが夫婦なのかもしれないな。

ただ肌を重ねるだけじゃなくて 心も通わせるって言うのかな？

だって お喋りの最中も私の顔のあちこちにキスを落としてくれる。

『おまえの好きなとこって話。』

『もうひとつ教えてくれるんですか？』

『知りたい？』

『うん、知りたいです。』

微笑みあって瞳を見つめると そっと唇をなぞられる。

その仕草がやけに艶っぽくて私は京介さんの瞳から目を反らすことができない。

息をのむって言うのかな…。一瞬で京介さんの心に引きずり込まれたけど

『口開けて寝るとこ。』

『…え…私 口開けて寝るんですか？』

やっぱり京介さんは意地悪だった。

『おまえもしかして口開いて寝てるの知らなかったとか？』

別に期待してたわけじゃないけどこんなシチュエーションで言うこともないじゃないって。

クスクスと笑いながらヨシヨシと頭を撫でてすぐに子供扱いして。

何度も思う…。今日は二人にとっての大切な夜だよね？

で…こんな風にお喋りに夢中だけど私たちって

その…繋がってるよね？って

『間抜け面なんだけどすげぇ可愛いの。』

京介さんは私の尖った唇を指先で摘まんで…チュッ と頬に音を立ててキスをして

『堪んねぇんだよ…その顔が。』

ずっと重なっていた優しい瞳が一瞬光れば あの射抜くような瞳に変わり

『…アンッ……イヤッ…。』

私の腰をグッと引き寄せ彼の熱がさらなる奥に突き刺さる。

それは まるで体中に電気が走ったみたいに私の背を仰け反らせ

『もうお喋りはおしまい。』

『…んはっ…。』

舌を覗かせた唇が降りてくると重なるのと同時に律動が始まる。

『だから 全部好きだって言ったろ？』

そういうことなんだ… 本当に全部を愛してもらってるんだ