あなたの色に染められて
第7章 I miss you
『あ~ぁ。』
電話やメールでは繋がってはいたけど こうも会えない日々が続くと寂しさのあまり溜め息ばかり吐いてしまう。
『逢いたいな…』
ミルク色のお湯に浸かりながら自分で自分の体を抱きしめる。
彼のぬくもりを知ってしまった今、私は寂しがり屋さんになってしまったようだ。
週末、押し掛けちゃおうかなぁ…
でも、そんなことしたら迷惑だよね。
こんなことばかり考えてる私は完全に京介さんに心を奪われていた。
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り自室に戻ると
『…えっ!もしかして?』
ベッドの上に無造作に置かれていたスマホのランプが点滅していることに気付いた。
淡い期待を胸に画面を照らすと
『やだ!…ウソ!』
京介さんから二度も着信が入っていた。
…あぁ、長風呂なんかしなきゃよかった。
耳に呼び出し音が鳴り響く
『あっ…もしもし京介さん?』
『ゴメン。忙しかった?』
ベッドに腰かけてクッションを抱えて京介さんの声を噛み締める。
『ううん。お風呂入ってたの。』
『そっか。』
『京介さんはまだお仕事ですか?』
微かに感じる風の音
『ううん、今終わったとこ。駅まで歩いてる。』
『お疲れさまでした。』
本当は面と向かって伝えたい言葉を伝えると
『明日の午後なんだけど用事ある?』
…もしかして…逢えるの?
私はベッドから立ち上がり
『ひまです!朝からずーっとヒマです!』
『ハハっ。相変わらずだな璃子は。』
京介さんの笑い声を聞いて頬を染めるけど
『明日、午前中だけチョット仕事行くんだけど… もし良かったら俺ん家で待っててくれる? 』
『え…いいんですか?』
京介さんがケラケラ笑ってる。
『いいに決まってるだろ。』
『ハイ!ありがとうございます!』
久しぶりに逢えるんだ。
『じゃあ、おいで。』
『ハイ!』
『カギはポストの中に入れとく。で、申し訳ないんだけどかなり散らかってるから覚悟してくるように。』
『じゃあ、お掃除して待ってます。あ…お昼ご飯の用意しておいてもいいですか?』
『ありがと。それじゃあ楽しみにしとくよ。』
2週間ぶり?いやそれ以上?
逢えるんだね…やっと逢えるんだ。
『やったね!』
さっきまでの暗い気持ちの私はどこへやら。
彼は私を笑顔にさせる魔法使いだった。