あなたの色に染められて
第9章 jealousy
どのくらい眠ってたんだろ。
目を覚ましスマホの電源を入れて時間を確認する。
17時
『汗びっちょり。』
湿った体は溜まっていた熱を発散してくれたのか昼間よりだいぶいい。
ピピピッ…ピピピッ…
熱も…ほらがってる。
…美紀からだ
LINEが大量に来ている。
着信もたくさんあった。
…勝ったかな
LINEを開いてみると そのほとんどが試合に来ていない私を心配する美紀からだった。
…4件か
京介さんは着信が昨日が2回と今日が2回。
LINEは…もっと少ない。
一人で帰ると伝えたあとの返信は着信と“了解”だけの二文字
…そうだよね
そのあとも どうした?何かあったか?連絡くれのたった3件。
素っ気ないいつもの文章
…やっぱり電源いれなきゃよかった
私はまた電源を切ろうと画面を覗くと
…え。
ピリピリピリッ。
着信は…………美紀だった。
『もしもし…』
「やっと繋がった…どうしたの?京介さんも心配してたよ?」
『ゴメンね。ちょっと熱出しちゃって。』
いつものように私を心配してくれる美紀
「そうだったの?で、もう下がったの?」
『…うん。それより試合は?』
「ちゃんと勝ったよ。コールドでね。」
きっと京介さんは今日も大活躍したんだと思う。
…見たかったな
「来週の決勝戦は来れるの?」
『ん?』
…行きたいけど行けないよ
だってまた私がバカをみるだけだもん
「もしかして…京介さんと何かあった?」
『ん~…チョットね。』
「アイツか。」
美紀に言わなくたってわかるってことは今日も二人は仲良しだったんだ。
『来てた?』
「アンタが来てないから彼女面して大活躍でしたよ。」
やっぱり…そんなことだろうと思ってた。
「それより京介さんがまったく打てないほどメチャメチャ落ち込んでたよ?」
『京介さんが?』
京介さんは朝 私が美紀と来ていないことを知ると 頭を抱えてたらしい
「何回電話しても繋がらないって。試合中も暇さえあれば私に聞いてきてさ。」
そんなことを言いながらも二人は朝から仲良く車で来て 甲斐甲斐しく京介さんのお世話をして
もちろん、今開催中のミーティングでも肩を並べて呑んでるらしい。
『…私ってなんなの?』
スマホを持ちながらまた涙を溢してる私がいた。