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あなたの色に染められて

第11章 ご挨拶


『ごちそうさまでした。旨かったです。』

他愛もない話に花を咲かせながらママの手料理をいただいたあと

『…どうぞ。』

私の部屋を見てみたいという彼

花柄のカーテンに真っ白なテーブル

『璃子らしい部屋だな。』

京介さんはパステルカラーのクッションが置いてあるベッドの端に座ると部屋をあちこち見渡した。

『突っ立ってないでここにおいで。』

京介さんは膝の上をポンポンと叩いて呼び寄せる。

『私はここでいいで…うわっ!』

横に座ろうとすると手を引かれ

『少し充電させろよ。』

ストンと横向きに座らせてふわりと抱きしめられた。

『疲れちゃいましたよね?』

京介さんの髪の毛に指を通す私

『大丈夫だよ。』

私の肩に頬を埋め柔らかくひとつ息を吐いた。

『オレ気に入ってもらえたかな。』

『はぃ。いい人見つけてきたねってママに言われました。』

『そか。』

京介さん顔をあげると優しく微笑み

『じゃあ、ご褒美ちょうだい。』

私の後頭部に手を回してキスをくれた。

『璃子の部屋ではじめてのキスだ。』

『うふっ。そうですね。』

京介さんはやっとリラックス出来たのかクスリと微笑むと私をギュッと抱きしめた。

『く…苦しいです。』

肩をパンパンと叩くと

『ちょ…ちょっとそれはダメです!』

今度はニットの中に手を忍ばせて背中を抱きしめる。

その大きくて器用な手がおとなしくしているはずもなく

『ダメ!本当にダメです!』

『どうして?』

イタズラに私の目を覗き込みながらホックに手をかけた。

『璃子からキスしてくれたら外さない。さて、どうする?』

本当にこの人には敵わない。

『…意地悪。』

彼の首に腕を絡ませて

『目…瞑ってください。』

『はい。どうぞ。』

珍しく素直に目を瞑ると

…チュッ

触れたか触れてないかギリギリの私なりに精一杯のキスを落とした。

でもそんなキスで彼が許してくれるはずもなく

『ダーメ。それじゃキスじゃなくてチュウだろ?ガキじゃねぇんだから。』

京介さんは私の後頭部をグッと引き寄せると

『んんんんっ!』

唇に舌を忍ばせホックを外した。

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